老いてなお恋愛を描く…幻冬舎・見城社長「希有な文学者」

[ 2014年5月6日 08:02 ]

08年年9月に出版した医学本「あきらめるのはまだ早い」についてインタビューに答える渡辺淳一氏

渡辺淳一さん死去

 映画・ドラマ化されるなど大ヒットした「愛の流刑地」や最後の小説となった「愛ふたたび」を出版した幻冬舎の見城徹社長は、渡辺さんについて「恋愛小説を“男女小説”と呼び、男女の道行きを人間の最も大切な営みとして文学に昇華させた人だった」と出版界に大きな功績を残したことを強調した。

 「どんな作家でも年をとってくると、男女のことは書かなくなっていく。しかし、渡辺さんは“生きることは異性に恋すること”という信念のもと、男と女の恋愛を書くことに打ち込み続け、最前線でけん引した。そしてその作品のすべてがベストセラーになった希有(けう)な文学者だった」と説明。

 「愛の流刑地」は、愛する女の欲求に従って殺してしまうという衝撃的な作品で、幻冬舎にとっても「当時立ち上げたばかりの新しい出版社に、最も重要な作品を出してくれた恩人でもあった」と悼んだ。

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2014年5月6日のニュース