最優秀男優の難民申請を却下 ボスニア出身ロマ ドイツ

[ 2014年1月24日 06:26 ]

 少数民族ロマの家族の苦境を描いたボスニア・ヘルツェゴビナの映画「鉄くず拾いの物語」に主演、昨年のベルリン国際映画祭で最優秀男優賞を受賞した同国のナジフ・ムジッチさん(43)がドイツで難民申請し、却下されていたことが分かった。23日付のドイツ紙ターゲスシュピーゲルが伝えた。

 映画は、差別や貧困のため妻の手術を拒否されたロマのムジッチさんの経験を忠実に再現。ムジッチさんはそれまで演技経験は全くなく、実際に鉄くずを集めて生計を立てており、受賞後も生活が苦しく難民申請した。

 同紙によると、ドイツ当局は政治的な迫害などはないと判断、貧困だけでは難民の条件を満たさないとして却下した。

 ムジッチさんは現在、ベルリンの難民用施設に妻と3人の子供と滞在中。難民認定されないなら「(受賞トロフィーの)クマは返却する」と話した。(共同)

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2014年1月24日のニュース