川上哲治さんを悼む 毒蝮三太夫「これほど人々を元気づけた人はいない」

[ 2013年10月31日 09:20 ]

 元巨人の監督で不滅の9年連続日本一を達成した、川上哲治さんが28日に老衰のため、93歳で亡くなっていたことが分かった。「打撃の神様」「V9監督」へ芸能界などからも悼む声が寄せられた。

 ▼毒蝮三太夫(巨人ファンのタレント)(背番号と同じ)16番の都電に乗って後楽園球場に見に行っていた。今でも銭湯の脱衣所で16番の籠を選ぶ。巨人を応援するラジオ番組をやっていたころは、よくかわいがってくれた。職人肌で、おやじみたいな人だった。「赤バット」を見せてもらったこともあった。昭和が遠くなって、はるかかなたに行ってしまった感じがする。日本が一生懸命復興しようとしていた戦後間もない時代に、これほど人々を元気づけた人はいない。国民栄誉賞でもいいのではないか。

 ▼ヨネスケ(巨人ファンのタレント)川上さんは戦争を経験し、戦後もすぐにはジャイアンツに戻らず、家族を助けるため(出身地の)熊本県で畑仕事をしていた、と講演で話していた。そうした経験が我慢強く、慎重な人柄につながり、だからこそV9を達成できたのだと思う。テレビ番組で取材した際は言葉を掛けられないぐらい近寄りがたい存在だった。野球の歴史をつくった方を亡くし、凄く残念だ。

 ▼黒鉄ヒロシ氏(巨人ファンの漫画家)その力強さが、自信をなくしていた日本人に大きな勇気を与えた。野球の求道者だった厳しい頑固おやじのような川上さんが、敗戦後の日本をけん引し、長嶋さんや王さんといった若い世代にバトンタッチしていった。まさに日本の戦後の歩みを象徴していた。

続きを表示

2013年10月31日のニュース