“釣り師”みるきー NMB屈指の“プロ意識”

[ 2013年6月25日 09:18 ]

インタビューに応える渡辺美優紀

 丁寧な対応から「難波の握手会の女王」と呼ばれ、ブログなどでは思わせぶりな態度でファンを魅了する。“釣り師”渡辺美優紀(19)は、取材でも小悪魔スマイル全開だ。先行するはずのスタッフより早くインタビュー現場に現れ、小首をかしげて「よろしくお願いします」。顔の近くで両手をひらひらと振って笑った。

 日産スタジアムでは「みんな、大好きだよ!」とド直球の愛情表現を客席に投げ込んだ。総合プロデューサーの秋元康氏(55)が「釣りというか、もう投網」と表現するほどパワーアップしているが「私は釣り師じゃないです。一番大事なファンの皆さんに、好きっていう気持ちを伝えているだけなんです」と必死に否定する。

 しかし、唇をとがらせたり頬を膨らませたりして、むくれるしぐさもさまになるのが、やはり釣り師の才能か。

 3度目の挑戦で初の選抜入りした総選挙には格別な思いがある。初参加は一昨年。速報では圏内に名を連ねたが、本番でランク外に終わった。会場となった武道館で席を離れるまで、おえつ交じりに涙を流し続けた。

 「初めてだったので、悔しさとファンの皆さんの期待を裏切ってしまったという気持ちでいっぱいで。確かに感情を表に出したのは、あの時だけですね」

 NMB屈指の“プロ意識”の持ち主だ。ファンはもちろん、スタッフにも苦労や努力の陰を見せることはない。「やらされる努力は嫌いなので」とレッスン場ではなく、自室で一人黙々と練習に励む。NMB加入後は間食は一切せずに野菜中心の食生活を徹底。「体重は量らないんです」と多くは語らないが、デビュー当時と比べて明らかにシャープになった顔立ちが、その努力を物語っている。

 そんな渡辺が鋭い目を見せたのは「NMBが、AKBに届かないと感じる部分は?」と尋ねた時。質問を遮るように「どこが負けてるんですか!」。机の上に乗せた両手をきゅっと握りしめ、そう言葉をかぶせてきた。

 昨年3月からAKBのチームBを兼務。柏木由紀(21)や小嶋陽菜(25)らトップメンバーと同じ舞台に立ち、山本とダブルエースとしてNMBをけん引する自覚からか。

 「みんな真面目に頑張って、アイドルとして全力で取り組んでいます。決して他のグループに負けていません」と言い切った。

 いつも柔らかく笑顔を振りまいている渡辺の、内に秘められた硬く強い芯が、このグループの明るい未来を予感させた。

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