髪切って吹っ切れた…紅白単独出場誓うNMB48のエース

[ 2013年4月23日 09:00 ]

「人生で一番短いです」と笑顔で話す山本彩

 NMB48のエース・山本彩(19)が年末のNHK紅白歌合戦へのNMB単独出場をあらためて誓った。以前はネガティブな一面をのぞかせることもあったが、髪をショートにしたのを機に完全なポジティブ思考に。紅白会場のNHKホールでの公演を含む今夏の東日本ツアーで、単独出場に向けてさらに弾みを付けたい意向だ。そして今、その胸中にある思いは…。 

 大阪・難波にあるNMB48劇場の一室。山本は先行するはずのスタッフより早くインタビュー現場に姿を見せた。

 「さっき美容室に行ってきました。人生で一番短いですね。切りたてなんで、よろしくお願いしまーす!」

 両耳がはっきり見えるショートヘア。以前よりサイドを2センチ、後ろを1センチ短くしたという。

 シャープな顔立ちから一見、クールな印象が強いが、最近の取材では豊かな情感をのぞかせる。今回のインタビュー中も、目を細めてくしゃっと笑うなど、くるくると表情を変えた。

 以前はネガティブな一面がうかがえた。初めて取材したのは一昨年秋。その後、何度かインタビューする機会があったが、悲観的な言葉をよく口にしていた。キャプテンの責任感から「自分ができていないことをメンバーに厳しく言っては落ち込んで…」と漏らしたり、周囲に気配りする繊細さがマイナスに働いてしまうのか「ブログで、ファンの方の否定的なコメント一つにも傷つきました」と過剰に反応してしまうこともあった。

 そんな負の印象が一変した。心境の変化について尋ねると「単純なんですけどね。髪をバッサリ切った時、悩みも一緒に吹っ切れちゃったんです」と答え、照れ笑いを浮かべた。

 昨年8月、大阪市内での近畿ツアー最終日公演。胸元まであった黒髪を30センチ以上カットして登場し、NMBの活動に懸ける意気込みを示した。

 今回はその時よりさらに短くし、思いの深さを表した。

 「今でも、自分の能力に対して不安な気持ちになることはありますよ。でも、NMBを引っ張ることや、いつかAKBを背負っていきたいと考える時も、重圧より楽しみだなって感じられます」

 いつかAKBを背負って…。“妹分”のエースからさらに上を目指してAKBのトップに立つという、一歩踏み込んだ決意表明だ。

 落ち着いた表情でさらりとそれを言ってのけた姿に、成長の大きさを感じた。

 今月5日、大津市内での西日本ツアー最終公演で、東日本ツアー開催が発表された。昨年春は大阪府内ツアー、同夏に近畿、そして今春に西日本を回り、いよいよ東日本へ進出する。

 総勢67人が出演した西日本ツアーを踏まえ「NとM、B2のチーム間の壁が思っていた以上に大きかった。研究生を含め、もっと一体感を強くするという課題を確実に消化したいです」と、NMBのさらなる進化を期する。

 東日本ツアーは、6月11日の横浜市を皮切りに、仙台市(同24日)などを巡り、7月3日にNHKホールでファイナルを迎える。NHKホールは紅白の会場。意気込みを尋ねると、唇をきゅっと引き締めて「自分たちが満足できる状態で、年末のステージに立ちたいですね」と紅白単独出場への決意をあらためて示した。

 NMBは結成された2010年から、AKBグループとして3回連続で出場しているが、単独出場はまだない。

 「昨年、SKEさんが決まったと聞いた時、凄いなっていう気持ちと同時に、あれ、私たちは…?って、思い知らされました」と悔しさをにじませる。

 同じ舞台に立ち、手が届く距離で歌い踊りながらも、AKB、SKEの背中は遠かった。

 「(SKEのメンバーが)普段以上に輝いて見えましたね。私たちはかすんでしまった。それが単独出場と、そうでない私たちとの違い。でも、きっと“まだ立っていない”ということにも意味があるんだなって…」

 今年に入り、大みそかの晴れ舞台を目標に定めた。総合プロデューサーの秋元康氏(54)が作詞を手がけ、紅白単独出場を逃した悔しさを表現した曲「12月31日」が生まれた。同曲が収録された初アルバム「てっぺんとったんで!」のジャケット写真はNHKホール前で撮影した。

 「お客さんの前で“12月31日”を歌うたび、紅白への意識が強くなります。ツアーもアルバムも全部、自分たちが年末の舞台に立つのに、ふさわしくなるためのもの」

 悲願成就に向けて突き進むエースは前を向いてそう言い切った。

 ◆山本 彩(やまもと・さやか)1993年(平5)7月14日生まれの19歳。大阪府出身。2010年、NMB第1期研究生オーディションに合格し、11年に劇場デビュー。チームNキャプテン。身長1メートル55。血液型B。愛称・さや姉。

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