新歌舞伎座こけら落としで勘三郎さん追悼 中村屋で「お祭り」

[ 2012年12月20日 06:00 ]

新しい歌舞伎座の完成予想図

 松竹は19日、来年4月に開場する新しい歌舞伎座のこけら落とし公演の6月までの3カ月間の演目と配役を発表し、4月公演(2~28日)第1部で、5日に亡くなった中村勘三郎さん(享年57)の“追悼演目”を上演することを明らかにした。

 「十八世中村勘三郎に捧(ささ)ぐ」と冠した舞踊「お祭り」で、勘三郎さんが闘病中に「新しい歌舞伎座でやりたい」と話していた演目。勘三郎さんが昨年9月に特発性両側性感音難聴による休暇から本格復帰した時にも「お祭り」を演じており、東京での1年半ぶりの舞台となった同11月の平成中村座「十一月大歌舞伎」でも上演。勘三郎さんの父の先代勘三郎が56年に長期療養から復帰した時にも演じており、中村屋の復帰舞台の“定番”となっている。

 こけら落とし公演では長男の勘九郎(31)次男の七之助(29)のほか、盟友の坂東三津五郎(56)や中村橋之助(47)中村獅童(40)らも出演。おめでたいこけら落としでの“追悼演目”は異例で、松竹の我孫子正専務は「元気になって新しい歌舞伎座の舞台を踏みたいという勘三郎さんの思い、復帰を心待ちにしていたお客さまの思いもあり、上演を決めました」と説明した。

 4月公演の第1部は坂田藤十郎(80)市川団十郎(66)らによる舞踊「寿祝歌舞伎華彩 鶴寿千歳」で幕開け。第2部は尾上菊五郎(70)らによる「弁天娘女男白浪」など、第3部では松本幸四郎(70)が「勧進帳」の弁慶を演じる。中村吉右衛門(68)片岡仁左衛門(68)坂東玉三郎(62)らも出演し、5、6月公演も市川海老蔵(35)ら豪華な顔ぶれで歌舞伎界の総力を結集した公演となる。

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2012年12月20日のニュース