若松孝二監督が死去 12日にタクシーにはねられ入院

[ 2012年10月18日 00:43 ]

車にはねられ、17日に死去した若松孝二監督

 暴力や政治、エロスをテーマとする作品を量産し、「キャタピラー」などが海外で高く評価された映画監督の若松孝二(わかまつ・こうじ)さんが17日死去した。76歳。宮城県出身。葬儀・告別式の日取り、喪主などは未定。12日に東京都新宿区内でタクシーにはねられ、重傷を負って入院していた。

 テレビドラマの助監督を経て1963年、当時ピンク映画と呼ばれた成人向け作品「甘い罠」で監督デビュー。ピンク映画を多数手掛ける一方、暴力やエロスを扱った作品が全共闘世代の若者に支持された。

 80年代以降に一般映画に進出。連続暴行魔が主人公の「水のないプール」や元全共闘世代の戦いを描いた「われに撃つ用意あり」で評価を得た。

 近年は海外の映画祭で活躍。ベルリン国際映画祭では、2008年に「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」が最優秀アジア映画賞を受賞、10年には「キャタピラー」で主演した寺島しのぶさんが最優秀女優賞に輝いた。今年のベネチア国際映画祭に出品した「千年の愉楽」が最後の作品になった。

 ほかの作品に「寝盗られ宗介」など。プロデューサーとして大島渚監督「愛のコリーダ」などの製作にも携わった。

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2012年10月18日のニュース