ソニー、仏企業と共同で英EMIの出版事業買収へ

[ 2011年11月12日 01:31 ]

 ソニーが「ビートルズ」を生み出した英音楽大手EMIグループの著作権を管理する音楽出版事業を買収する方向で最終調整に入ったことが11日、明らかになった。音楽大手ユニバーサル・ミュージックを傘下に持つ仏メディア大手ビベンディとともにEMIを分割して買収することで、EMIの全株式を保有する米金融大手シティグループと詰めの協議をしている。

 ソニー側の買収額は1700億円程度に達するとみられ、得意とする音楽出版事業の強化が狙い。スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット型多機能端末に配信するコンテンツを拡充する狙いもありそうだ。一方、ビベンディはEMIのCD販売などの事業を取得する。

 欧米メディアによると、ソニーとビベンディによる買収総額は41億ドル(約3200億円)とみられる。米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、ビベンディはCDなど音楽ソフト部門を19億ドルで買収、ユニバーサルとの相乗効果を狙う。

 英紙フィナンシャル・タイムズによると、買収額などで交渉は難航していたが、EMIが抱える年金債務をシティが引き受けることで、交渉が進んだという。

 2007年に欧州の投資ファンドがEMIを買収したが、長年在籍した英人気ロックバンド、ローリング・ストーンズが08年に契約を解消するなど、所属アーティストとのトラブルが続き、経営再建に失敗したため、シティが株式を保有していた。(共同)

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2011年11月12日のニュース