日本人初!「ヒミズ」の主演2人にベネチア新人俳優賞

[ 2011年9月11日 06:00 ]

映画「ヒミズ」公式上映に参加した、(左から)二階堂ふみ、園子温監督、染谷将太

 イタリアで開催されている第68回ベネチア国際映画祭で10日、東日本大震災後の日本を舞台にした園子温(その・しおん)監督(49)の「ヒミズ」で主人公を演じた染谷将太(19)と、ヒロインの二階堂ふみ(16)がマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)に決まった。共同通信が伝えた。同賞は98年に創設され、日本人の受賞は初めて。同映画祭では最優秀男優賞を三船敏郎さんが61年に「用心棒」で、65年に「赤ひげ」で受賞している。

 「ヒミズ」は、「行け!稲中卓球部」で知られる古谷実さんの漫画が原作。震災後の日本に設定を変更し、津波によって一面のがれきとなった宮城県石巻市の映像が使われている。

 染谷は虐待を繰り返す父親を殺害し、生きる望みを失った虚無的な中学生を熱演。二階堂は主人公に好意を寄せる同級生役で、少年をけなげに励ます少女を、明るく力強く演じた。

 6日の公式上映後には、観客が総立ちとなって約5分間拍手。「頑張れ」の声援も飛び、園監督は「日本への応援という意味も込められているのかな」と話していた。

 また、塚本晋也監督の「KOTOKO」も、世界の映画の潮流を探るオリゾンティ部門の作品賞に当たるオリゾンティ賞(長編)を受賞した。

 ◆染谷 将太(そめたに・しょうた)1992年(平4)9月3日、東京都生まれ。9歳の頃からドラマ、映画に多数出演。NHK大河「江」では、織田信長に仕える小姓の森坊丸を演じた。1メートル72、54キロ。

 ◆二階堂 ふみ(にかいどう・ふみ)1994年(平6)9月21日、沖縄県生まれ。無料誌「沖縄美少女図鑑」でデビュー。ティーン誌「ニコラ」のモデルだったが、女優業専念で専属モデルを辞退。1メートル57。

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