苦戦続く中で…異色刑事ドラマ「ジョーカー」健闘のワケ

[ 2010年9月7日 07:50 ]

 恋愛、社会派、コメディとさまざまなジャンルで苦戦が続く2010年夏のテレビドラマ。その中で、毎クール数本がオンエアされ、安定した人気を集めているのは“刑事もの”だろう。今クール(7~9月)のドラマでも、刑事ドラマに勢いがある傾向になっている。

 俳優の堺雅人(36)がゴールデン連続ドラマ初主演を務める「ジョーカー 許されざる捜査官」(フジテレビ、火曜午後9時)は異色の刑事ドラマといえそうだ。

 「ジョーカー」は昼は温厚な刑事・伊達一義が、夜は一転、法の網から漏れた凶悪犯に怒りの鉄ついを下す、いわゆる“神隠し”を行うという勧善懲悪ドラマ。刑事が犯罪者に制裁を下すという設定の特殊性もあるが、物語の展開も個性的だ。
 基本的には、1話完結で事件を解決していくのだが、各話の最後に主人公・伊達の抱える過去や制裁の中身、協力者の存在など、さまざまな謎が徐々に明かされていく形となっている。物語も佳境となった7話以降は“偽の神隠し犯”が現れるなど、事件の解決よりも全話通じてのストーリーに重きが置かれており、その展開がますます気になるところ。

 主演の堺は、「昼は温厚だが、夜は冷酷な制裁者」という2つの顔を持つ伊達を見事に演じており、堺独特の“笑顔”が主人公のキャラクターにぴったりとマッチしている。また、伊達とともに、“神隠し”の仲間である鑑識課の久遠健志を演じる人気アイドルグループ「NEWS」と「関ジャニ∞」の錦戸亮(25)、伊達とコンビを組む新人警部補・宮城あすかを演じるモデルの杏(24)、伊達の協力者で制裁者の運搬係を務める三上国治を演じる大杉連(58)など、脇を固める面々も大いに存在感を発揮している。

 低調な数字が並ぶ今クールの中で、初回視聴率13・9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)に比べ、平均視聴率14・07%(8話平均)と上昇している唯一のドラマ。内容の充実に視聴者が納得し、口コミなとで注目度が徐々に集まってきた証拠だろう。
 放送も残り2回。最終回(14日放送)は15分延長しての拡大版、21日には特別編とお楽しみはまだまだ続く。異色刑事ドラマの今後から目が離せない。

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2010年9月7日のニュース