建て替えへ…歌舞伎座「さよなら公演」が幕切れ

[ 2010年4月28日 18:14 ]

 建て替えのため閉場する東京・銀座の歌舞伎座との別れを惜しもうと、昨年1月から続けられてきた「歌舞伎座さよなら公演」が28日、幕を閉じた。

 さよなら公演を締めくくる「御名残四月大歌舞伎」は、当日販売の「一幕見席」の切符を求めて長蛇の列ができるなど、連日大にぎわい。中堅、若手の人気俳優がそろう「御名残木挽闇争」で始まり、最後の演目は市川団十郎さんが助六を演じる歌舞伎十八番の「助六由縁江戸桜」。
 千秋楽にふさわしく、場内は拍手や掛け声が響き渡った。「助六」の劇中で中村勘三郎さんが「新しい歌舞伎座で、もっともっと夢を見せてもらいましょうよ」と呼び掛けると、観客の盛り上がりは最高潮に。
 戦災で焼けた前の歌舞伎座の時代から通い続けているという東京都中央区の女性(76)は「先代の団十郎さんらの思い出がたくさんあるので、寂しい。今日は役者さんが一生懸命演じてくれたのでよかった。歌舞伎は日本の心です」と別れを惜しんでいた。
 30日には、現劇場では最後の公演となる「歌舞伎座閉場式」が開催される。その後建て替え工事に入り、2013年春には、地上29階の高層ビルを併設した新しい歌舞伎座が開場する予定だ。

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2010年4月28日のニュース