高相被告「悪質」だが執行猶予4年…

[ 2009年11月28日 06:00 ]

高相被告を乗せたと思われる車が、東京地裁を後にする(ナンバー部分は加工してあります)

 元女優酒井法子(38)=有罪確定=とともに覚せい剤取締法違反(所持、使用)の罪に問われた自称プロサーファーの夫、高相祐一被告(41)に対し、東京地裁は27日、懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を言い渡した。稗田雅洋裁判官は「妻に覚せい剤を勧めるなど悪質」などと指摘。酒井よりも重い刑を選択したが、保護観察処分は付与しなかった。酒井をサポートする関係者は厳罰が下されなかったことに困惑。酒井の離婚への意思が揺らぐ可能性もあり、再び説得を始める。

 高相被告は黒のスーツにグレーのネクタイ姿で、黒いかばんを右手に提げて入廷。被告人席に硬い表情でゆっくりと腰を下ろした。稗田裁判官から指示され「はい」と答えて証言台に。一部では保護観察つきの厳しい判決もあると予想されていたが、懲役2年、執行猶予4年。静かに聞き入っていた。
 判決理由で、稗田裁判官は「数年前から覚せい剤を使うようになり、使用を中断したこともあったが、再び常習的に使うようになった。覚せい剤への依存性は根深いものがある」と指摘。さらに「妻にも使用を勧め、一緒に使用するなどしており、外出先で妻とともに使用することも考えて吸引用のガラスパイプも持ち歩いていた。ほかの者に覚せい剤の害悪を広めるという意味でも、その犯情は悪質というほかない」と非難した。一方、「被告は反省し、保釈後に専門病院に通院してカウンセリングを受けるなど、薬物依存からの離脱に努力している。今後5年間にわたり、主任弁護人を定期的に訪れ生活状況を報告し、指導を受けることを誓約している」と執行猶予の理由を述べた。高相被告は、何度も小さくうなずき、「はい」と答えた。裁判官が自らの言葉で被告人に語りかける説諭でも「はい」と答え、閉廷の際には裁判官に向かって2回、深く頭を下げた。
 初公判では、検察側による被告人質問に「あのー」「そうっすねー」と語尾を伸ばして話した。また、何度説明されても質問の意味が伝わらず、裁判官と検察側があきれる場面もあったが、この日は開廷時間の7分間で「はい」を6回発したのみ。ファンデーションを塗っているのか、左手薬指のタトゥーは初公判時に比べ薄れているようにも見え、報道陣からは「反省を見せるためでは」という声も聞かれた。
 初公判に証人として出廷した父親でスキーショップ経営の次郎氏と母親は、傍聴席に座って高相被告の横顔を見つめ、時折、視線を落としていた。

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2009年11月28日のニュース