太宰作品「パンドラの匣」ロケ地・宮城で先行公開

[ 2009年9月26日 17:33 ]

映画「パンドラの匣」の先行公開後、記念写真に納まる(左から)冨永昌敬監督、川上未映子さん、染谷将太ら

 作家太宰治の生誕100周年を記念して製作された映画「パンドラの匣」が26日、ロケ地となった宮城県で先行公開された。全国公開は10月10日から。

 「パンドラの匣」は、結核を患う主人公の少年が療養所で看護師に寄せる思いや、ほかの患者との交流を描いたユーモアあふれる青春小説。
 仙台市青葉区で舞台あいさつした主演の染谷将太は「太宰作品だから重いとは思わずに、肩の力を抜いて見てほしい」と呼び掛けた。映画初出演となった芥川賞作家の川上未映子さんは「役者に囲まれて勉強になった。音楽や映像など、何回見ても新しい発見がある多層的な作品」と魅力をアピールした。
 撮影は冨永昌敬監督の意向で、すべて宮城県内で行われた。小説が描かれた当時のような風景が残っているとして南三陸町などが選ばれた。
 町民約80人がエキストラとして参加した南三陸町の佐藤仁町長は「もてなしの心で出演者や撮影スタッフを迎えた。映画を見て“太宰ワールド”を楽しんでもらい、南三陸にも来てもらえれば」と話している。

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2009年9月26日のニュース