没後20年…「作曲家ハマクラ物語」制作へ

[ 2009年6月10日 06:00 ]

 「バラが咲いた」「人生いろいろ」など数多くの名曲を手掛けた作曲家、浜口庫之助さん(享年73)の生涯を振り返るドラマが、来年12月の没後20年を前に制作される。日本テレビ「人生いろいろ~浜口庫之助物語~(仮)」で年内放送予定。歌手の五木ひろし(61)が主演し、ギターを手に数々のハマクラメロディーを歌う。

 五木はギターを弾きながらの歌唱力と、ドラマや舞台での演技経験を買われ起用された。劇中で歌うのは「僕は泣いちっち」「涙くんさよなら」など10数曲。いずれもツーコーラスまで披露し、歌謡史に残る名曲をじっくり聴かせる。
 トレードマークだったチョビひげに黒縁の眼鏡姿で役作り。ふだんのこぶしは“封印”し、軽く楽しげな歌い方でハマクラさんを意識した。
 曲提供を受けたことはないが、ハマクラメロディーが好きでコンサートで歌うこともあるといい「歌のシーンはハマクラ先生になりきって歌いました。良い曲がたくさんありますので、五木ひろしを通してハマクラ先生の世界が伝えられたら」とコメント。撮影ではハマクラさんが実際に使用し、本人以外は触れたことがなかった「オベーション」ブランドのギターを、遺族の特別許可で弾かせてもらい「魂が降りてくるような気がする」と感激していた。
 ドラマは晩年、ハマクラさんがプライベートコンサートを行っている設定で進行。ギターで弾き語りしながら、ヒット曲が誕生するきっかけとなったさまざまな女性との出会い、別れを振り返る物語。20~60代を演じる。収録は5月26日に始まり、6月中旬にクランクアップ。2時間ドラマとしてゴールデン枠で放送される。
 山本由緒プロデューサーは「浜口さんを知らない若い人でもメロディーを聴けば分かる人が多いはず。家族で楽しんでもらいたい」とPRしている。共演は岸本加世子(48)、山田優(24)、鈴木砂羽(36)、緒川たまき(37)ら。

 ◆浜口 庫之助(はまぐち・くらのすけ)1917年(大6)7月22日、神戸市生まれ。早大を1年で中退、鉄鋼会社に就職したが、青山学院大に再入学。戦後、ハワイアンバンドを結成。57年から作詞、作曲家活動をスタート。59年の「黄色いサクランボ」を皮切りにヒットを連発し、66年の「バラが咲いた」はレコード大賞作曲賞受賞。日本初のシンガー・ソングライターとして活躍し、島倉千代子の「人生いろいろ」などを手掛けた。90年12月2日に下咽頭(いんとう)がんで亡くなった。

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2009年6月10日のニュース