清志郎さん遺作ジャケットにあの大物の「虹の写真」

[ 2009年6月3日 06:52 ]

 がん性リンパ管症のため先月2日に亡くなったロック歌手忌野清志郎さん(享年58)の遺作「Oh!RADIO」(17日発売)のCDジャケットを、写真家の篠山紀信氏(68)が手掛けた。ハワイで撮影した鮮やかな虹を清志郎さんの象徴として使った。カップリング曲はRCサクセションの元メンバーとの競演曲になる。

 紀信氏に依頼したのは、ジャケット製作を担当したアートディレクターの井上嗣也氏(61)。清志郎さんと坂本龍一(57)による大ヒット曲「い・け・な・いルージュマジック」をはじめ、RCサクセションのアルバム「FEEL SO BAD」「MARVY」などのデザインを手掛けた人物だ。
 清志郎さんが亡くなった翌日(3日)と、東京・青山での葬儀式前日(8日)に出現した虹がファンの間で話題になったことに加え、清志郎さんのイメージとも合致することから「虹の写真」を紀信氏にオファーした。
 紀信氏は99年に雑誌「ブルータス」の連載コラムで清志郎さんと俳優真田広之(48)のツーショットを撮っているが、深い親交はなかった。だが、その才能と生き方を尊敬していたため、その場で快諾したという。
 紀信氏は「オリジナリティーを持っていて、芸術家としてクリエーターとしてのその独自性は素晴らしかった。方向性にブレがなく、生き方がきれい。その純粋性が音楽にも表れていた。陰ながらずっと尊敬していたんですよ」と思いを説明。ハワイで撮った虹の中から、とびきりピュアに映るものを選んだ。
 女性を被写体にした作品で有名だが、清志郎さんが敬愛していたジョン・レノン(享年40)の遺作「ダブル・ファンタジー」(80年)のジャケット写真も撮影している。ジョンと一緒に映るオノ・ヨーコ(76)は清志郎さんの悲報に「あなたの“イマジン”を私は決して忘れない」と追悼のメッセージを出しており、不思議な縁が紀信氏に再び伝説的ロックスターの遺作の写真を撮らせた。
 手のシルエット写真は昨年2月、日本武道館で開催された復活公演での清志郎さんの右手。タイトルと名前は本人の直筆を使っている。

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2009年6月3日のニュース