歌舞伎の名脇役 中村又五郎さんが死去

[ 2009年2月21日 13:28 ]

 歌舞伎の名脇役として長年活躍した人間国宝の中村又五郎(なかむら・またごろう、本名中村幸雄=なかむら・ゆきお)さんが21日午前4時10分、老衰のため東京都内の自宅で死去した。94歳。東京都出身。葬儀・告別式は27日午前11時半から東京都港区の増上寺光摂殿で。喪主は長男甚之介(じんのすけ)氏。

 1921(大正10)年初舞台。初代中村吉右衛門の下で名子役として鳴らし、吉右衛門劇団の幹部俳優として女形から、若衆、三枚目と幅広い役柄で活躍した。戦後、東宝に移籍。歌舞伎のほか商業演劇、テレビなどにもたびたび出演し、名脇役ぶりを発揮した。
 70年以来、国立劇場の俳優養成事業の主任講師として、数多くの歌舞伎俳優を育て、海外でも歌舞伎について講演活動を行うなど、歌舞伎界の最長老として後継者育成と普及に努めた。
 53年芸術祭奨励賞、75年紫綬褒章、84年勲四等旭日小綬章受章。96年日本芸術院賞、97年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定された。
 今年1月2日に行われた「歌舞伎座さよなら公演古式顔寄せ手打ち式」に出席していた。

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2009年2月21日のニュース