後藤寿彦氏　死去の渡辺泰輔さん悼む　慶大が低迷しても常に励ましてくれた温かい先輩

東京六大学史上初の完全試合を達成した渡辺泰輔さん
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　慶大で東京六大学野球リーグ初の完全試合を達成し、南海（現ソフトバンク）でも活躍した渡辺泰輔（わたなべ・たいすけ）さんが20日午前3時53分、敗血症性ショックのため福岡県飯塚市の病院で死去した。81歳。福岡県出身。葬儀・告別式は21日に近親者で執り行った。

　渡辺泰輔さんは私より11歳年上で、六大学初の完全試合も達成した偉大な先輩だけど、ずっとかわいがっていただいた。本格的な付き合いは1986年、私が（社会人）三菱重工三原の監督をやっていた時から。渡辺さんは福岡・直方で実家の工場を経営していたけど「後藤君、直方高の野球部にいい選手がおるから見においでよ」と言ってくれた。

　94年、私が慶大の監督になると、今度は三田倶楽部（慶大野球部OB会）の九州地区委員として同地区の選手や情報を寄せてくれた。

　就任当初はリーグ下位に低迷したけど「後藤君、頑張れよ、頑張れよ」と常に声をかけてくれたのが泰輔さん。長老のOBは成績が悪いと厳しい発言をするけど「後藤君、それは仕方ないから」と一生懸命励ましてくれたのは本当にありがたかった。私にとって凄くいい先輩でした。ご冥福を祈ります。（慶大野球部OB会会長、朝日大野球部総監督・後藤寿彦）