大谷のド軍との衝撃契約、ぜいたく税軽減目的で半分以上が後払い その効果は年平均いくら?

[ 2023年12月10日 14:07 ]

大谷翔平
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 大谷翔平の総額7億ドル(約1015億円)の契約は、ドジャースのぜいたく税の対象となるサラリー総額を下げる目的で半分以上が後払いになるとスポーツ専門サイト「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者が報じている。

 ド軍は20年にムーキー・ベッツと12年(21年から32年)総額3億6500万ドルで合意したときも同様だった。ベッツは12年ではなく24年に渡って受け取ることに合意。12年経った後に受け取る、後払いの総額は1億1500万ドル。33年から37年は年間800万ドル、38年と39年が1000万ドル、40年から44年が1100万ドルの内訳である。

 毎年7月1日に受け取るが、この後払い分は全て無利息だ。ゆえにベッツが44年に受け取る1100万ドルは確実に価値が今と比べて下がっている。そこでMLB選手組合は、このような長期契約で後払いがある場合は、契約全体の価値が下がるとものと考えて計算する。

 ベッツの場合は総額3億6500万ドルの契約だったが、価値は3億665万7882ドルになると弾き出した。それを12年で割ると年平均2555万ドルで、この額をぜいたく税の対象となるサラリー総額を計算する時に当てはめる。

 ベッツは契約時のボーナス6500万ドルも含めると年平均約3000万ドルを受け取っているが、ぜいたく税の対象となるサラリーはそれより約445万ドルも低く抑えられている。

 大谷については半分以上が後払いになると報じられているので、ベッツの時よりもインパクトは大きくなる。後払いでいくら支払われるのか、10年分のサラリーを何年に引き伸ばして払うのか、具体的な数字は明らかではないが、米データサイト「ファングラフス」がさっそくシミュレートしている。

 仮に24年から33年までの10年契約7億ドルのうち4億ドルを後払いにし、契約終了後40年間、毎年1000万ドルずつ、73年まで払ったとする。その場合、ジョン・ベッカー記者の計算では4億ドルは3億900万ドルの価値になるという。よって今回の総額7億ドルの契約は、6億930万ドルの価値になる。

 それを10年で割ると6093万ドル。大谷は後払いを自分から提案したそうで、おかげで彼自身はお金で損をすることになるが、シミュレーション通りなら、ド軍は24年から10年間、ぜいたく税の対象となるサラリー総額を約1000万ドルも引き下げることができる。大谷にとってもベッツにとっても、チームが強いことが大切なのである。

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