巨人・秋広 416%増の3250万円で更改 野手では球団歴代2位の昇給率

[ 2023年11月30日 05:30 ]

会見場にサンタのコスプレで登場し記念撮影する秋広(撮影・沢田 明徳)
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 巨人の秋広優人内野手(21)が29日、都内の球団事務所で契約更改交渉を行い、今季年俸630万円から416%増の年俸3250万円でサインした。今季121試合に出場し、大ブレークを果たした大器は、球団野手では19年の岡本和真に次ぐ2位の昇給率に破顔一笑。来季は外野として、全試合出場する決意をにじませた。

 2メートルの長身に負けないほど、大きな飛躍を遂げた。球団野手では、史上2位となる416%増の昇給率。秋広は満面に笑みを浮かべながら、充実の今季を振り返った。

 「開幕当初の想像以上。凄くいいシーズンになりました」

 巨人、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏の背番号55を継承した昨季は、1軍の舞台を踏むことができなかった。悔しさを胸に、4月22日のヤクルト戦で待望のプロ初安打。同29日広島戦の7回に初アーチをかけると、9回には師匠と慕う中田翔が逆転サヨナラ2ランを放った。

 「いつもお世話になっている翔さんと2人で、お立ち台に上がれて忘れられない一日になりました」

 その中田翔は出場機会を求め、契約を終了できるオプトアウトの権利を行使して退団。来季は師匠の抜けた分も、さらなる躍進が求められる。今季は打率.273をマークしたが、対右投手の同.306に対し、対左投手は.210。左打者としての明白な課題克服へ、侍ジャパンの一員で出場した11月のアジアプロ野球チャンピオンシップで大きなヒントを得た。

 打撃練習で右打者のDeNA・牧と同組になった際に「右ピッチャーを相手にどんな感じで打っていますか」と質問。「右ピッチャーは左中間、左ピッチャーは引きつけて右中間」との助言を受けた。左右の投手を問わずセンター返しを徹底してきた秋広にとっては、新たな発見。「いいバッターからいい話を聞けて、引き出しになった」とうなずいた。

 今季は左翼で74試合、一塁で18試合にスタメン出場したが、阿部新監督は一塁のレギュラーに主砲の岡本和を据えることを明言。「レフトでやると思っている」と外野一本で挑む心構えだ。

 新年俸3250万円は、1万円札を1枚ずつ重ねると32.5センチ。2メートル、100キロ超の巨漢を支える足のサイズ32センチをわずかに超えた。会見後には報道陣の求めに応じ「恥ずい」と苦笑しながらも、サンタクロースの格好で再登場。「来季は全試合に出場して、しっかりとチームのリーグ優勝、日本一に貢献できるように頑張りたい」。来季は自らのバットでG党に最高のプレゼントを届けてみせる。(花里 雄太)

 ≪歴代1位は岡本の567%増≫秋広(巨)が416%アップの年俸3250万円で契約を更改した。巨人で年俸400%以上増は20年高木京介の500%増(500万円→3000万円)以来6人目。野手では19年岡本の567%増(1200万円→8000万円)に次ぐ2番目の昇給率となった。なお、プロ野球最高の昇給率は10年福盛和男(楽)の1036%増(440万円→5000万円)、野手では95年イチロー(オ)の900%増(800万円→8000万円)となっている。

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