右の大砲候補、野村勇を再生へ 来季1軍監督が決定的なソフトバンク・小久保2軍監督のメス入る

[ 2023年10月21日 06:00 ]

野村勇(左)に打撃指導するソフトバンク・小久保2軍監督(撮影・岡田 丈靖)
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 ソフトバンクの来季1軍監督が決定的な小久保裕紀2軍監督(52)が20日、来季3年目を迎える右の大砲候補・野村勇内野手(26)の今秋の再生計画を明かした。この日のみやざきフェニックス・リーグの韓国プロ野球選抜戦は降雨中止となり、室内練習場で野村勇のティー打撃を見守り、さっそく打撃フォーム改造に着手。約20分間にわたって密着指導を行った。

 雨中の室内練習場。小久保2軍監督は、現役時代の背番号「9」を2つ重ねた「99」の野村勇のティー打撃を後方から腕組みをしながら、まずは現状をチェックした。その後約20分間にわたって、身ぶり手ぶりを交えながら助言と修正を加えた。

 「手とバットのグリップがスイングすると投手側に寄っていくので、しっかり手首を返しなさいと。“手で打つのが嫌”と言うので手打ちじゃないよと」

 さらに自らも王貞治球団会長に言われてきた言葉も付け加えた。「会長もいつも言っていた。“手を速く(振る)”と。下半身をねじっても手が遅れる。手を速く振れば実はちょうどいい。それを知らないので」。野村勇は汗だくの状態で聞き入っていた。

 走・攻・守で好バランスの右の大砲・野村勇。入団1年目の昨季は球団の新人タイ記録となる2桁10本塁打と10盗塁をマークするも、今季は50試合で打率・160、3本塁打、7打点と振るわなかった。今秋キャンプからは正式に小久保新体制が始動することになる。3年目となる来季へ「守備は十分に合格点なので、ほぼほぼ守りはなし。リチャードもそうだけど、とにかく打撃が良くならないと」と飛躍のポイントを挙げる。

 ひたすらに、打ち続ける――。秋の野村勇再生計画を伝え聞いた背番号「99」は少しだけ苦笑いしながら、言った。「打撃は一度、違う方向にいってしまったので修正を加えていきたい。秋から課題を持って頑張りたいですね」。V奪回を目指す小久保ホークスに欠かせない戦力と見ているからこその、愛ある指導と助言だった。 (井上 満夫)

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