ソフトバンク崖っ縁 意地の2ランで劣勢の展開に逆らった柳田「雰囲気は難しい感じに」

[ 2023年10月15日 06:00 ]

パ・リーグ クライマックスシリーズ ファーストS第1戦   ソフトバンク2ー8ロッテ ( 2023年10月14日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>6回に2ランを放った柳田(撮影・長久保 豊)
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 クライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ(3試合制)が14日に開幕し、3位のソフトバンクは2位ロッテに完敗を喫し崖っ縁に立たされた。ロッテ先発・佐々木朗に3回完全を許す苦しい展開も、4点を追う6回にポストシーズン(PS)で本塁打を打てば11戦11勝だった柳田悠岐外野手(35)が反撃の2ラン。しかし投手陣が崩れ不敗神話も崩壊した。15日の第2戦に勝たなければ敗退が決まる。

 弾丸のような打球が右翼スタンド中段に突き刺さった。柳田が0―4の6回1死一塁でロッテの3番手・坂本の142キロカットボールを仕留めた。「いいスイングで完璧に捉えることができた」。キャプテンは意地の2ランで劣勢の展開に逆らった。

 それまでの打席とは打って変わった。初回2死では先発・佐々木朗の徹底したフォーク攻めに遭い、空振り三振。「素晴らしいピッチャーだなと改めて思った」。4回1死一塁では2番手・中村稔のツーシームにバットが空を切った。6回の打席では、たまりにたまったイライラをフルスイングで振り払い、ベンチに戻るとポーズを取って歓喜の声を上げた。

 これでCS通算9本塁打でデスパイネに並んで歴代2位。ソフトバンクなどで活躍した内川の10本に1差と迫った。さらにCS通算安打46本も歴代2位の坂本(巨人)と肩を並べた。CSでの強さを改めて発揮したが「負けたので意味はないかと思うけど。やっぱり負けていたら(チームは)雰囲気は難しい感じになる。そこはうまくいかなかった」と悔しがった。

 アーチを放てば日本シリーズを含めたポストシーズンでチームは11連勝中だったが、CS男の「神話」も止まった。投手陣は先発に抜てきしたスチュワートが3回持たずに4失点KOされるなど、計8失点。守りでは0―2の3回に失点つながる三森の悪送球もあった。レギュラーシーズン4勝8敗1分けと分が悪かったZOZOマリンでまたも苦杯を喫し、藤本監督は「負けは負け。明日、負けたら終わり。切り替えていくしかない」と話した。

 残り2戦は勝つしかなく、引き分けも許されない崖っ縁に立たされた。指揮官は「選手も明日負けたら今シーズン終わりと分かっている。勝つしかないわけだから。そういう気持ちでやってくれればいい」と言った。3位に終わったシーズンの屈辱を晴らすため、このまま終わるわけにはいかない。 (森 寛一)


 ○…ソフトバンクが黒星発進。過去、パのプレーオフ、CSファーストSで、初戦黒星のチームがファイナルS進出は18度のうち3度。突破率は17%と狭き門だが、ソフトバンクは06年と19年の2度、逆転突破を経験している。レギュラーシーズン3位のため、突破には2、3戦の連勝が条件。15日に引き分け以下なら敗退が決まる。

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