KMGホールディングス10年ぶり日本選手権切符 就任2年目の加藤伸一監督が導いた

[ 2023年9月25日 06:00 ]

スポニチ後援第48回社会人野球日本選手権九州地区予選最終日   KMGホールディングス5―1沖縄電力 ( 2023年9月24日    北九州市民 )

<KMGホールディングス・沖縄電力>マウンド上で歓喜の輪をつくるKMGホールディングスの選手
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 第2代表決定戦が行われ、KMGホールディングス(福岡)が2013年以来10年(9大会)ぶり6回目の日本選手権出場を決めた。先発した新人右腕・木下里都(りと、22)が沖縄電力を初回の1点だけに抑え、5―1で完投勝ちした。元南海、ダイエー、広島、オリックスなどで通算92勝を挙げた加藤伸一監督(58)は就任2年目での快挙となった。KMGは第1代表のHonda熊本、JABA九州大会優勝で出場権を得ている西部ガス(福岡)とともに11月8日開幕の社会人日本選手権(京セラドーム)に出場する。

 秋晴れの空に加藤伸一監督は2度、3度舞った。九州三菱自動車からチーム名を変更した22年に就任して2年目。取り組んできたチームの世代交代と戦力補強が結実した。新人・木下の完投勝ちはその象徴だった。

 「中2日の登板は初めて。疲れがあって球が行かなかった。でも途中から変化球が決まってきた」と木下。最速151キロを誇る1メートル83の右腕がこの日は147キロ止まりで初回に先制失点したが、2回以降はゼロ行進。中盤からスライダー、カットボールを低めに集め5回からは二塁も踏ませなかった。

 部員23人中8人が1年目の若いチームだ。福岡大で投手に転向し4年春に大学初勝利を含む2勝を挙げた遅咲きの木下は、足しげく大学野球を視察していた加藤監督の目に留まり入社が決定。「監督からは内角攻めの大切さを教わった」。カミソリシュートでプロ通算92勝を挙げた指揮官の投球術を伝授された。この日、2安打1打点の峯、2安打の仁木も同じく1年目。加藤監督は「選手が1試合ごとに力と自信をつけてくれた」と若さの持つ無限の可能性を引き出した。同じくプロOBの湯上谷、宮地両コーチの支えも大きく、就任2年目で10年ぶりの選手権出場をたぐり寄せた。(中島 泉)

 【表彰選手】
 ▽最高殊勲選手賞
山本卓弥外野手(Honda熊本)

 ▽敢闘選手賞
木下里都投手(KMGホールディングス)

 ▽首位打者賞
益田海成外野手(KMGホールディングス)
5試合9打数4安打。打率・444。

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