【甲子園】花巻東の主将・千葉がV打「貢献できてよかった」降雨中断、再開後に執念の一打

[ 2023年8月14日 05:05 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第8日2回戦   花巻東2―1クラーク ( 2023年8月13日    甲子園 )

<花巻東・クラーク>8回2死一、二塁、花巻東・千葉は勝ち越しの適時打を放つ(撮影・須田 麻祐子) 
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 千葉を忘れるな。接戦にケリをつけたのは、主将の一打だった。1―1の8回2死一、二塁。花巻東の5番・千葉柚樹(3年)が、外角スライダーを捉え三遊間を抜いた。15年以来8年ぶりの3回戦進出を決める決勝打だった。

 「本当に打てていなかったので打てて良かったです。みんなでつかみ取った勝利。貢献できてよかった」

 苦しい展開だった。4回に先制も、7回に追いつかれた。8回の守りでは1死一、二塁のピンチで降雨中断した。1時間34分の中断の間、佐々木洋監督は「間を制するものが勝つ」とナインを鼓舞。「チームは落ち着いていた。雨の中でも落ち着いて勝つことに集中できた」と再開後の好機を主将が生かした。

 新チーム発足時は佐々木麟太郎(3年)が主将だったが、1月から千葉に交代。打順も佐々木麟の後の4番を担うことが多く「プレッシャーはありました。(主将も初経験で)最初は本当に不安でした」と漏らすことも。今大会は3打数無安打の初戦に続き、この日も第3打席まで無安打。初安打が貴重な一打になり佐々木監督も「キャプテンが苦しんでいた。執念で打った一打だと思います」と称えた。

 3日の組み合わせ抽選後、千葉は会場前で一人困っていた。千葉を残してチームはバスで出発。携帯電話も持たず、報道陣に連絡を取ってもらい引き返したバスに乗り込んだ。本当は人前に出るのは苦手で多くは語らない性格だが、部員105人をまとめる主将。「もう忘れないでほしいです」と苦笑いしたが、誰もが頼りにする花巻東のリーダーだ。(村井 樹)

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