広島 「不沈艦」矢崎が沈んだ 延長10回に2発浴び、救援102試合目で初黒星 今季ワースト更新6連敗

[ 2023年8月14日 07:15 ]

セ・リーグ   広島1―2中日 ( 2023年8月13日    バンテリンD )

<中・広>サヨナラホームランを打たれ、肩を落として引き上げる広島・矢崎(撮影・椎名 航)
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 広島・矢崎拓也投手(28)が13日、中日戦の延長10回に2者連続アーチを浴び、17年4月28日のDeNA戦(横浜)以来、6年ぶりの黒星を喫した。救援では102試合目の登板にして初黒星。一方の打線は9回まで無安打無得点と沈黙した。延長10回に先制点を奪ったが、直後の悪夢でチームは今季7度目のサヨナラ負け。1引き分けを挟んで今季ワーストを更新する6連敗となり、首位阪神とは8ゲーム差に広がった。

 歓喜に沸く中日ナインを背に、肩を落として矢崎は三塁ベンチへ引き揚げた。1―0の延長10回に悪夢を見た。先頭の石川昂に左翼席へ同点ソロを被弾すると、続く宇佐見にも右翼席へサヨナラの一発を叩き込まれた。

 「0点で抑えるのが仕事なので、それに全力を尽くそうと思っていた。この体験は僕がどれだけ反省しても変わることはない。次(マウンドに)上がるときに、それを学びとして生かせられれば」

 悔しさをにじませながらも、必死に前を向いた。5月上旬から抑えを任された右腕はセーブ機会の失敗は一度しかなく、安定した働きが続いていた。だが、4年ぶりの1試合2被弾で、17年4月28日のDeNA戦以来、登板104試合ぶりの黒星がついた。

 「最後に僕が試合を決めてしまって申し訳ないというのはありますけど、黒星自体は僕のミスなのでついて当然」

 新井監督も「彼がああなったら、それはもう仕方のないことだと思う」と受け止めた。

 打線も相手先発の柳の前に9回まで無安打無得点。指揮官は「いい投球をされたら、なかなか打てるもんじゃない。今日の彼(柳)は本当に素晴らしい投球だった」と脱帽した。苦しい展開の中、投手が代わった延長10回には5試合ぶりとなる先制点を奪った。だが、直後に惨状が待っていた。直近の2カードは下位チームに苦戦を強いられ、1分けを挟んで6連敗。トンネルを抜け出せず、首位・阪神の背中は遠くなる一方だ。

 「(6連敗も)全然つらくない。関係ないから。何でもドンと来いという感じ。またあさって(15日)からに備えたい」

 それでも新井監督は敗戦のショックを見せることなく、気持ちを切り替えた。あす15日からはマツダスタジアムで阪神と3連戦を控える。初戦に敗れると、阪神にマジックナンバー「29」が点灯するだけに、何としても食い止めたい。残りの38試合で奇跡を起こすために、今こそ真価が問われる。 
 (長谷川 凡記)

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