藤浪が良くなった背景にスプリットの回転軸 データサイト「ファングラフス」が説明

[ 2023年7月22日 09:14 ]

オリオールズに移籍した藤浪(AP)
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 米野球データサイト「ファングラフス」のエステバン・リベラ記者が、オリオールズがトレードで藤浪晋太郎投手(29)を獲得したことについて、次の圧倒的なリリーバーを生み出すべくアスレチックスから奪取したと評価している。

 オリオールズにはオールスターのリリーバー、フェリックス・バティスタ(28)とイエニエル・カノ(29)がいるが、ともに最近まで力を発揮できていなかった。オリオールズがうまく指導し、持ち味を生かすことに成功した。

 藤浪は今季の防御率は8・57で、WHIP1・662と良くない。先発で制球難に苦しみ、ブルペンに移行してからも、5月、6月の成績は決して良くはなかった。

 投球が安定してきたのは6月末、ブルージェーズとヤンキースを相手に投げた後だとリベラ記者は指摘する。7月、藤浪は球種をほぼ4フォーシームとスプリットに絞り、カッターは多くは使わなくなった。そして7月の藤浪は直球を38球投げたが、空振り率は36・8%。それまでは26%以上には行かなかったのに、突如、空振りが増えた。

 なぜか?データから見て、その理由はスプリットの回転軸がそれまでの「2:05」から7月は「1・47」になり、フォーシームの「1:42」と見分けがつきにくくなったからだと分析する。

 記事に、7月14日のツインズ戦で、左打者アレックス・キリロフを高速スプリットで追い込み、100マイルの直球で空振り三振に斬って取る映像を添付している。藤浪のスプリットの平均速度は93・3マイルで、これはメジャーでツインズのジョアン・デュランに次いで速い。同じリリースポイントから、ほぼ同じ回転軸で、ともに速いこともあり、打者はいいスイングができないという。

 オリオールズは藤浪のように身体が大きく、力のあるボールを投げる投手をうまく使える。チーム合流後、また一つか二つ調整を加えるかもしれないと楽しみにしている。

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