エンゼルス・大谷にまた大記録 史上2人目の球宴前100安打30発5三塁打 54年ウィリー・メイズ以来

[ 2023年7月9日 02:30 ]

インターリーグ   エンゼルス4―11ドジャース ( 2023年7月7日    ドジャースタジアム )

<ドジャース・エンゼルス>6回、四球で出塁し二塁に進んだ大谷(右)に話しかけるベッツ(撮影・沢田 明徳)
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 エンゼルスの大谷翔平投手(29)が7日(日本時間8日)、ドジャース戦の4回に右前打を放ち、3年連続で100安打に到達。出場88試合目での大台はメジャー自身最速だった。球宴前の「100安打、30本、5三塁打」クリアは、54年のウィリー・メイズ以来69年ぶり史上2人目。記録的活躍を続ける二刀流が、通算660本塁打&338盗塁を誇る俊足強打のレジェンドの偉大な記録を呼び起こした。

 69年後の野球ファンは、大谷をどう思い起こすのか。そんなことを想像させる記録達成だった。1954年、ワールドシリーズ。メジャー史上最も有名なプレーとして知られるW・メイズの中堅での背面捕球「ザ・キャッチ」。史上最高の中堅手とされ「コンプリート・プレーヤー(完璧な選手)」と呼ばれるレジェンドが、その年につくった数字に並んで見せた。

 4点を追う4回。昨季16勝の右腕ゴンソリンの直球を右前に運んだ。3年連続シーズン100安打。出場88試合目での到達は自身最速で、5日に29歳となってから初安打だった。7月に入り当たりが止まった大谷は、今季3度目の屋外フリー打撃を敢行。逆方向を意識し、23スイングで8本の柵越えを放って状態を確認し、4試合ぶりに快音を響かせた。

 球宴まで1試合を残し今季はこれで100安打、31本塁打、5三塁打。球宴前の「100安打、30本塁打、5三塁打」達成は54年のメイズ以来だ。元祖二刀流のB・ルースに次いで通算600本塁打を達成するなど、強打と俊足でならした殿堂入り右打者の数字に、69年ぶりにスポットライトを当てた。

 ただ、チームは4連敗。最大8あった貯金を吐き出して6月3日以来の勝率5割とし、地区4位に転落した。フィル・ネビン監督は「小さなことから改善していかなくては。言い訳はしない」としたが、故障者続出のなかで正念場を迎えた。

 節目の安打を放った4回。二塁に進むとド軍・ベッツから握手を求められた。この日2発を含む3安打4打点など、通算165盗塁、238本塁打で現代のメイズとも称される外野手。チーム事情でこの日は二塁を守っており「あなたとアデルはどっちがパワーがあるんだ?」と初めて言葉を交わし、大谷も笑顔で返した。

 3月のWBC決勝の米国戦前。大谷は侍ジャパンメンバーに「憧れるのをやめましょう。トラウトがいて、ベッツがいたり――」、「トップになるために勝つことだけを考えていきましょう」と語りかけた。トラウトがいなくて、ベッツにやられた。今こそ「勝つことだけ考えていきましょう」がエ軍にふさわしい言葉だ。(柳原 直之)

 ▽ウィリー・メイズ ニグロリーグでプレー後、50年にニューヨーク・ジャイアンツ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)入り。51年にメジャーデビューし、20本塁打などで新人王を獲得した。56、57年に30本塁打、30盗塁をマークし、69年に史上初の通算300本塁打300盗塁を達成。「ライフルアーム」と呼ばれた強肩も含めて、走攻守全てを兼ね備えた名外野手だった。73年にメッツで現役引退し、79年に殿堂入り。バリー・ボンズの名付け親でもあり、南海で活躍した野村克也さんに「ムース」の愛称をつけたとされる。

 ≪日本ハム時代の同僚メンドーサ氏と再会≫14~17年に大谷と日本ハムで同僚だったルイス・メンドーサ氏(39)が、エンゼルス戦を観戦。試合前に大谷と再会した。

 同氏の息子マルセロ君(8)を抱き寄せた大谷は「めっちゃでかくなってる!」と大喜び。「僕は100マイル(約161キロ)を投げていた」と言う同氏に「ノー、ノー、ノー!94、95マイル(約151~153キロ)」と笑って返した。

 同氏は「75本塁打を打ってジャッジの記録(62本塁打)を破ってほしい」とエールを送った。

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