大野豊氏 阪神・大竹は勝つための「3つの条件」を完全な形で満たしていた

[ 2023年7月6日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神2ー0広島 ( 2023年7月5日    マツダ )

スポニチ評論家・大野豊

 【大野豊 視点】見事な大竹の投球だった。勝つための条件である(1)先頭打者を出さない(2)四球を与えない(3)テンポ良く投げる――を完全な形で満たしていた。どの球団でも投手コーチがこの3点を強調するのだが、注文通りに投げることができる投手はなかなかいない。

 相手の打線も思うような投球をさせないために、狙い球を絞り、攻略の糸口を見いだそうとするのがプロの世界。広島も大竹対策は立てていたはず。それでも完封を許した。このカード4戦で3勝、失点はわずか1。投球術、安定感という意味でも大竹は12球団で今、一番だと感じた。

 リーグ有数の好打者・秋山を4打数無安打1三振と抑えたように、左打者への外角の攻め方が非常にいい。直球もカットボールもコースの際どいところを攻め、高めに抜けるということがない。右打者に対しても、この球で内角膝元を攻めていった。両サイドをしっかり攻め続けるコントロールが大竹の好投を支えた。守りのミスもあっての7回1死一、二塁でも決して慌てることはない。気持ちのコントロールもできていた。

 日曜日のヤクルト戦には復活を懸けて青柳が登板する。結果を意識して空回りするのではなく大竹のように自分らしさを前面に出す投球に集中してほしい。(本紙評論家)

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