阪神などがリストアップの鹿児島城西・明瀬 初戦「ガチガチ」1安打も投手で貢献 救援で3回零封

[ 2023年7月6日 05:30 ]

高校野球鹿児島大会1回戦   鹿児島城西4―3加治木工 ( 2023年7月5日    鴨池市民 )

<鹿児島城西・加治木工>8回から3番手で登板した明瀬
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 全国高校野球選手権鹿児島大会は1回戦6試合が行われた。鹿児島城西は加治木工に4―3で延長10回タイブレークの末にサヨナラ勝ちした。阪神が今秋ドラフト上位候補にリストアップしている高校通算49発の大砲、明瀬(みょうせ)諒介内野手(3年)は4打数1安打。最速152キロ右腕の投手としては8回から登板して3回無失点でサヨナラ勝ちに貢献した。

 通算49発の「薩摩のロマン砲」の夏初戦はヒヤヒヤだった。3点差を追いつき、最後は延長10回タイブレークの末にサヨナラ勝ち。鹿児島城西の明瀬は「夏に甲子園を目指してやってきたので。初戦では負けられないな、という思いがありました」とほっとした表情を浮かべた。

 試合が始まってから夏独特の緊張感が襲った。負けたら終わりの気持ちから「初回からガチガチでした」と明かす。2打席連続で中飛に倒れたが、3点を追う6回無死一塁では変化球を引きつけて中前に安打を放ち、反撃のチャンスを広げてチームは2点を返した。4打数1安打に「打撃の調子は悪くないと思います」と話したが、西武、ダイエーなどで通算1599安打を放った佐々木誠監督からは「フライアウトが多かったですね。アウトコースの変化球を当ててしまっていた」と修正を求められた。

 阪神がドラフト上位候補にリストアップしているなど、プロからも熱視線が送られている。この日は巨人とヤクルトの2球団が視察し、巨人の水野雄仁スカウト部長は「パワーが魅力。右の長距離が打てる打者として注目していく」と評した。

 「二刀流」として8回からマウンドにも上がり3四死球を与えたが3回無失点と粘り切り、タイブレークでのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。明瀬の帽子のつばには「俺がヤる」(原文まま)と記されている。大会前にチームメートが書いてくれた言葉で、今大会にかける明瀬の思いでもある。次戦以降も投打で表現して、初の夏の甲子園出場を目指す。(杉浦 友樹)

 ◇明瀬 諒介(みょうせ・りょうすけ)2005年(平17)8月25日生まれ、大阪府堺市出身の17歳。日置荘西小4年からソフトボールを始める。日置荘中では、元近鉄の小川亨氏が監督を務める「大阪狭山シニア」に所属し、内野手と捕手を務める。鹿児島城西では1年夏からベンチ入りし、1年秋からレギュラー。憧れの選手はオリックス・森。1メートル83、88キロ。右投げ右打ち。

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