若菜嘉晴氏が指名するソフトBのキーマン 再獲得デスパイネより総合力の野村勇

[ 2023年6月21日 07:10 ]

ソフトバンク・野村勇
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 ソフトバンクは23日のオリックス戦(ペイペイドーム)から、交流戦明けの戦いが始まる。本紙評論家の若菜嘉晴氏(69)はリーグ戦開幕後のキーマンに野村勇内野手(26)を指名。再獲得したアルフレド・デスパイネ外野手(37)よりも、走攻守の総合力でチームに貢献できる背番号99を推した。

 デスパイネの1軍合流はもう少し先になるだろうが、交流戦明けの戦い方は再獲得した助っ人の使い方が重要になってくるだろう。すでに打線には危機感を感じられるし、2軍にいる外国人選手も調子を上げてきている。そういう意味での“効果”は出ているが、固定できるかは疑問符が付くと思っている。

 起用するならばDHだろうが、柳田や近藤を休ませながら使うために空けておきたい。あとは外野を守らせるくらいだが、守備はどうかと思う。年齢も37歳になり、パ・リーグのパワー系投手の球を打ち返していくのは簡単ではないだろう。

 結論を言えばデスパイネより、野村勇だと考える。腰の手術明けで1軍復帰後、ショートだけではなく、二塁と三塁も守った。内野ならばどこでも守ることができるし、昨年は外野もやった。足と肩もある。これまで左打ちのユーティリティープレーヤーはいても、右打ちはいなかった。ルーキーだった昨季は10本塁打を放ったが、今季は内角もよりさばけるようになった。粗削りではあるけど、いい意味でイケイケだから、力で押してくる投手にも対抗できる。

 デスパイネは代打や対左などポイントで起用し、周囲は彼がいることで、奮起する。獲得した効果が違う意味で出てくれば、3~4年後の将来を考えても底上げにつながるだろう。野村勇と同じことは上林にも言える。

 一方、投手では8、9回のモイネロ、オスナだけではなく、その前を投げる津森、甲斐野、大津の安定感が光る。

 3人の頭文字を並べれば「TKO」と語呂もいい。この3人がいるから、早ければ6回から継投に入れる。例えば42歳の和田は交流戦でも6回まで投げる力を見せたが、5回でめどをつけられるならば、より勝つ可能性も高くなるだろう。

 パ・リーグの優勝争いは3強に絞られたと思うが、Bクラスの日本ハムや楽天もまとまってきている。最下位の西武にしても、投手が安定すれば怖い存在だ。今季もパは面白いと思っている。
 (スポニチ本紙評論家)

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