阪神・岡田監督、「独自査定」設置へ 中軸は本塁打より勝利打点「打点の方がな、貢献度というかな」

[ 2022年11月28日 05:15 ]

阪神・岡田監督
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 阪神・岡田彰布監督(65)が27日、来季の中軸打者には本塁打や打点より、勝利打点を重視する「独自査定」を設けた。勝利第一主義者らしい着眼点で、大山悠輔内野手(27)、佐藤輝明内野手(23)の両大砲らを評価する構え。「岡田賞」の制定こそ否定しても、試合を決める一打が新監督への猛アピールになるのは間違いない。

 そら、本塁打より勝利打点よ――。就任以来、次々と持論を展開してきた岡田監督が、中軸打者に求める「数字」について「岡田節」で力説した。

 「クリーンアップ打ってるもんは、俺もそうやったけど、やっぱ打点の方がな、貢献度というかな。しょうもない時にホームラン打っても、負けゲームでどうでもいい時に打っても、1本は1本やからな。昔は勝利打点王いうのあったもんな。今なくなったよな、いつのまにか。あれは価値があったよな」

 セ・パ両リーグで「最多勝利打点」のタイトルが設けられていたのは、1981年から88年まで。価値評価の基準があいまいな点などから、わずか8年間で廃止されたものの、セ・リーグでは00年まで特別賞として表彰されていた。

 80年プロデビューの指揮官は、まさにそのタイトルを争った年代で「最初に誰が獲ったか知ってる?」と報道陣に逆質問。「監督ですか?」との返答には「違うよ、俺が獲ってたら言えへんわ。知らんの?佐野(仙好)さんや」と笑った。阪神OBの佐野氏は81年は48打点ながら勝利打点15を記録。ここぞの場面での抜群の勝負強さを今の若虎にも期待する。

 「俺はあのタイトルはものすごい価値あったと思うけどな。勝利を決めた打点やからな、結局」

 今季のセ・リーグの最多勝利打点はヤクルト・村上の19。阪神では大山、佐藤輝がともにリーグ4位タイの11でトップだ。秋季キャンプの打撃練習で格の違いを見せつけた大山には本塁打数でも期待がかかる中、「そんな五十何本も打たんでええで。30本ぐらい打ってくれたら十分やんか。そんな打ったら、いっぱい点入りすぎるやんか」と笑い飛ばした。勝利打点を一番挙げた選手への「岡田賞」の贈呈プランは「そんなん、ややこしいわ」と一蹴したものの、求めるのは「アレ」を呼び込む一打だ。(山添 晴治)

 ○…「勝利打点」は、勝利チームが最後に勝ち越した得点を記録した打者の打点のこと。一方でこの得点が併殺打や本盗など、打者に打点の付かないものだった場合は「該当者なし」になる。現在は非公式の記録ながら、81年から88年にかけてセ・パ両リーグで公式記録として集計。シーズン最多選手を「最多勝利打点」として表彰していた。阪神からは初代タイトルホルダーとなった81年佐野仙好(15回)と85年バース(22回)が受賞した。公式記録から外れた89年以降も、セ・リーグが00年まで特別表彰で継続。こちらは92年にパチョレック(14回)が受賞している。

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