エンゼルス・大谷“復調の兆し”逆方向へ4号 引っ張らない打撃で6連勝のチーム引っ張る

[ 2022年5月1日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5ー1ホワイトソックス ( 2022年4月29日    シカゴ )

<ホワイトソックス・エンゼルス>初回、4号ソロを放ち空を見上げながら喜ぶ大谷(撮影・光山 貴大)
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 リフレッシュ明けで復調の兆しだ。エンゼルスの大谷翔平投手(27)は29日(日本時間30日)、敵地でのホワイトソックス戦に「4番・DH」で出場し、4号ソロを含む2安打1打点。初回に11試合47打席ぶりのアーチを放つと、中前打で出塁した8回には二盗も決めた。今季初の欠場から一夜明けた一戦で、チームの5得点中3得点を記録。今季初の6連勝の立役者となった。 

 敵軍のエース右腕、ジオリトの93・1マイル(約150キロ)高め直球を力強く振り抜いた。大谷の打球は大きな放物線を描き、左中間スタンドで弾んだ。両手と顔を空に向け、笑顔でポーズしてホームイン。エンゼルスの地元放送局バリースポーツ・ウエストの実況アナウンサーも「Sho time is back!(ショータイムが戻ってきた!)」と声を張り上げた。

 逆方向に伸びる大飛球が大谷の持ち味。しかし、過去19試合で記録した3本のアーチは全て右中間から右翼方向だ。前日までの全19安打中、左中間や左翼への安打も1本だけ。引っ張り過ぎる悪い傾向が出ており、自身でも「(バットの)軌道がずれているからかな」と分析していた。

 ジョー・マドン監督も「引っ張らずにうまく打った。中堅から左翼へ強く打つことは大谷にとって良いサインだ」と指摘。8回には左腕ソウザに追い込まれてから外角スライダーに対応し、技ありの安打を中堅左に運んだ。今季は高めの直球と外への緩い変化球に苦しめられてきた。その両方を攻略したのは、大きな収穫。安打の直後には今季4盗塁目となる二盗も決め、4点目のホームも踏んだ。この日は3得点を記録し、リーグトップタイの17得点とした。

 前日は今季初めて欠場し、この日は20年9月27日のドジャース戦以来、579日ぶりの4番。現在好調なウォード、マーシュ、トラウトが1~3番に並び、そこに大谷が続く新打順が機能した。4番弾は20年8月6日のマリナーズ戦以来631日ぶり。完全に大谷頼みだった昨季と違い、さまざまなバリエーションの打順を組めるのが、首位をキープできている要因といえる。

 大谷と二枚看板を担う右腕シンダーガードが体調不良のため、急きょ先発を回避。救援投手で9回をつなぐ「ブルペンデー」での勝利に、打って走って貢献した。昨年6月以来の6連勝。試合後のクラブハウスでは、ナインの歓喜の声が響き渡った中で、大谷はiPadを見つめながら、この日の反省と翌日のデーゲームに備えたケアに集中していた。(笹田 幸嗣通信員)

 ≪昨季前半戦も広角に量産≫大谷は46本塁打した昨季、33発を放った前半戦で中堅から左翼方向へ13本塁打。特にメジャー自身月間最多本塁打だった6月は13本中、5本が中堅から左だった。一方で13発にとどまった後半戦は、同方向は1本(中越え)のみ。「中堅から左」は調子のバロメーターといえる。

 ≪メジャー通算97発≫大谷はこの日の4号アーチがメジャー通算97号。日本選手で100本塁打をマークしているのは松井秀喜(175)、イチロー(117)の2人で、史上3人目の到達まで残り3本と迫った。また、大谷の4番としてのアーチはメジャー通算8本目(日本ハム時代は0本)。メジャーで打順別で最も多いのは2番の41本で、これに次ぐのが3番の24本となっている。

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2022年5月1日のニュース