日本ハムのドラ8・北山 新庄監督サプライズ開幕守護神!ドラフト77人中76番目指名

[ 2022年3月13日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム4―1広島 ( 2022年3月12日    マツダ )

<広・日>9回から救援し無失点で最後を締めた日本ハム5番手・北山(撮影・村上 大輔)
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 日本ハムのドラフト8位右腕・北山亘基投手(22=京産大)が、新庄政権1年目の開幕時のクローザーを務めることが12日、濃厚となった。広島とのオープン戦(マツダ)で初めて9回に登板し、1安打無失点で初セーブを記録。最速156キロの直球を武器に、オープン戦3試合に登板して計4回無失点、9奪三振と好投を続けている。新庄剛志監督(50)の評価は高まる一方で、下位指名から異例の大役が見えてきた。

 広島の地で、北山が成り上がりへの切符を手にした。3点リードで迎えた9回2死二塁。中村奨を135キロのフォークで二飛に打ち取り、ようやく表情を崩した。最終回を1安打に抑え、オープン戦初セーブ。一日限定で指揮を執った近藤代理監督にウイニングボールを手渡した。

 クローザー適性のテストも兼ね、プロ入り後初めて最終回のマウンドを託された。「開幕1軍を目指してキャンプから過ごしてきた。目標をしっかり達成したい」。そう話す右腕は、先頭で同じ新人の末包(大阪ガス)をフォークで三ゴロに。代打・野間に右翼線二塁打を許しても慌てない。続く昨季10本塁打の林は外角フォークで空振り三振。中村奨も仕留めた。最速150キロを記録した直球とのコンビネーションで、テストをクリアした。

 昨秋のドラフト支配下指名で77人中76番目。後ろには同僚のドラフト9位・上川畑(NTT東日本)しかいない男が猛アピールを重ねる。3日のヤクルト戦では自己最速の156キロを計測するなどオープン戦3試合で計4イニングを2安打無失点で9奪三振。セットポジションから全身をしなやかに使って力強い投球を続け、武田投手コーチも「あれは化けもんですよ。プロ相手に物おじしない。クローザーでもすぐ使えるような存在」と舌を巻く。

 ここまで順調に調整を進める北山に、新庄監督もかねて「初速と終速の幅が少ない投手がいい投手。それを彼が持っている。(癖が)バレてもあの真っすぐは打てないかな」と評価。抑えの筆頭候補だった杉浦が2月中旬に左太腿裏の肉離れを発症して出遅れ、チャンスが生まれた。杉浦の状態を見ながらになるが、大役を任される可能性が高い。過去に1年目に2桁セーブを挙げた投手で最も下位指名の入団は03年ドラフト7巡目の三瀬幸司(ダイエー=現ソフトバンク)。これを超える成り上がりに挑む。

 新庄監督は開幕投手も未発表。順当なら昨季チーム最多の12勝を挙げたエースの上沢だが、指揮官は「誰でもあるよ。(開幕投手候補は)13人くらいいる」と話している。先入観を全て捨てるのがビッグボス流。次なるサプライズは、果たして――。(清藤 駿太)

 ◇北山 亘基(きたやま・こうき)1999年(平11)4月10日生まれ、京都府出身の22歳。京都成章では3年夏に甲子園出場。京産大では1年春から関西六大学のリーグ戦に登板し、通算14勝。4年春には最優秀投手賞に輝いた。21年ドラフト8位で日本ハムに入団。契約金2000万円、年俸700万円。1メートル82、80キロ。右投げ右打ち。

 ≪ダイエーのドラ7・三瀬は28S≫新人の10セーブ以上は15年山崎康(D)と昨季栗林(広)の37Sを筆頭に17人いるが、北山(日=ドラフト8位)が所属する日本ハムには不在。球団の新人記録は93年山原和敏のわずか5Sとなっており、ルーキーが守護神として活躍した例はない。なお、前記の山崎康、栗林はともにドラフト1位だが、北山のような下位指名(5位以下)でも抑えとして10S以上を挙げた新人もいる。04年三瀬幸司(ダイエー=7巡目)は28S、97年岡本克道(ダイエー=5位)は19S、91年森田幸一(中=5位)は17Sを記録した。

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2022年3月13日のニュース