広島・西川龍馬「1番」で上沢撃ち3安打 佐々岡監督も「出塁率は武器」と切り込み隊長起用を示唆

[ 2022年3月13日 05:30 ]

オープン戦   広島1―4日本ハム ( 2022年3月12日    マツダ )

<広・日>4回2死一、二塁、西川は右前打を放つ(投手・上沢)(撮影・奥 調)
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 広島・西川龍馬外野手(27)にエンジンがかかってきた。コロナ禍に見舞われて以降、初となる2万人超の観客を本拠地に迎えた12日の日本ハム戦に「1番・左翼」で先発出場し、敵の開幕投手候補・上沢から右へ左へ3打数3安打の固め打ち。佐々岡監督は「龍馬の出塁率は武器」とし、昨季1試合しかなかった「1番・西川」の可能性に言及した。

 格の違いをチーム内外に見せつけた。開幕1軍をつかむため、結果を残そうと必死に奮闘する若ゴイたちを横目に、4日に合流したばかりの西川が3打数3安打の固め打ち。表情は自然に緩んだ。

 「対上沢さんというのもあって、今日は何とか1本と思っていたけど、3本打てた。ちょっと良すぎかな。徐々に状態は上がってきているかな…と」

 昨季12勝の右腕に痛打を浴びせた。初回の先頭打者で147キロの外角高め直球を左前へ運ぶと、3回1死では外寄りのフォークを右前へ。4回2死一、二塁でも低めのカーブを右前へはじき返した。いずれも2ストライクと追い込まれてからの決め球。真骨頂だった。

 「打順はあんまり関係ないかな…と思っているので。(役割は)そんなに変わらないでしょ。一緒です」

 オープン戦6試合目の出場。2番が1試合あった以外、主に3番で起用されていたが、この日は先発1番に指名された。19年には60試合に出場した実績があるものの、昨季は9月20日のヤクルト戦1試合しか経験がない。その意図は明白だ。

 「今日は1番でつながりを試した。龍馬の出塁率は武器。相手投手に嫌がられる存在だと思うので、1番か中軸か。4番もあり得るところ」。佐々岡監督はそう説明した上で、「西川も当然その中に入ってくる」として会沢、菊池涼、小園のレギュラー陣に加えた。

 1月下旬に新型コロナの陽性判定を受け、2軍で始動した今春。「オフ並みにトレーニングした」結果、体重は84キロに増えた。「打球は強い方がいい。長打も増えると思う」。ただ、ケガ予防の観点から開幕には81キロ程度に絞って臨む意向だ。

 「試合に出ないと始まらない。打順どうこうより、レギュラーとして出られるように。今年は結果にこだわりたい。結果を残すことしか考えていません」

 開幕の足音が聞こえる中、短期間で着実に打撃の状態を上げるのが中心選手の値打ち。27歳は頼もしい。(江尾 卓也)

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