ソフトBドラ1の親友と交わした約束 明桜で甲子園を経験した左腕・栗城蓮が誓う4年後のプロ入り

[ 2022年2月23日 17:39 ]

最速140キロの直球、切れ味鋭いスライダーを武器にする栗城(撮影・柳内 遼平)
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 日大に進学した最速140キロ左腕・栗城蓮投手(18・ノースアジア大明桜)は23日、千葉県習志野市内のグラウンドで行われた練習に参加した。キャッチボールなどのメニューで汗を流し「恵まれた環境で目一杯、野球ができている。レベルの高い選手たちに刺激を受けています」と充実感をにじませた。

 神奈川で生まれ育った栗城はノースアジア大明桜(秋田)で甲子園出場の夢を叶えた。エース右腕・風間球打投手(18・ソフトバンク)を擁したチームは昨夏の甲子園に出場。栗城は2回戦の明徳義塾(高知)戦に3番手で救援し、1回2/3を1安打3失点。2―8で敗れて高校野球最後のマウンドとなった。

 中学時代から山梨で練習をともにした風間の背中を追いかけた2年半だった。最速157キロを誇るライバルとの差を縮めようと必死に練習に励んだが、3年夏の直前に腰を痛めた。誰にも言わずに耐えたが、甲子園入りした時には歩く度に刺すような痛みが走った。

 試合巧者の明徳義塾が4点をリードして迎えた8回に「栗城」の名が甲子園に響いた。右翼を守る風間をバックに背番号11はマウンドに立つと、球場の音と腰の痛みが消えていくことを感じた。経験したことのない「全集中」で2死を奪うと、スライダーで右打者の内角を突いて見逃し三振に斬った。磨き抜いたクロスファイアだった。9回に3失点するも、集大成の35球に「仲間と全力で楽しめた」と悔いはない。

 栗城は強豪ひしめく東都リーグの日大に進学し、風間はドラフト1位でソフトバンクに入団した。1月には福岡入りする風間を羽田空港で見送った。秋田に忘れていたサッカーシューズを届けるためだった。風間は「来いよ」と栗城に言葉を残してプロの世界に旅立った。

 福岡・筑後のファーム施設で体づくりに励んだ風間は入団時から6キロ増量して90キロに。栗城も負けじと7キロ増量の80キロに達した。「故障もあったので、まずは体づくりから。全ての面でレベルアップして自分もプロを目指したい」と誓う。「ライバルであり一番の親友」と同じ舞台に立つために、大学野球で腕を磨く。(柳内 遼平)

 ◇栗城 蓮(くりき・れん)2003年10月3日生まれ、神奈川県伊勢原市出身の18歳。小1から伊勢原フレンズで野球を始める。中沢中では軟式野球部に所属。ノースアジア大明桜(秋田)では2年秋からベンチ入りし、3年夏は甲子園に出場。50メートル走6秒6。遠投100メートル。趣味はEMMA WAHLIN(エマ・ウォーリン)の音楽を聞くこと。1メートル80、80キロ。左投げ左打ち。

 ▼球種 直球、スライダー、カーブ、チェンジアップ

 ▼一言メモ 好きな食べ物は白米。「白米が好きすぎて、おかずなしで食べられます」
 
 ▼明徳義塾・ノースアジア大明桜VTR 
21年夏の甲子園2回戦で激突。ノースアジア大明桜の先発・風間は6回2失点も、139球を投じて降板した。明徳義塾は代木大和(巨人)、吉村優聖歩のリレーで逃げ切り、8―2で勝利した。 

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