中畑清氏 日本シリーズは戦い方よく似た両チーム オリックスがやや有利か

[ 2021年11月16日 05:30 ]

中畑清氏
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 【キヨシスタイル】史上初となる前年最下位同士の日本一決戦。ここ数年の日本シリーズにはなかったワクワク感がある。

 ヤクルト、オリックスの両チーム、似てるんだよね。高津監督が2年目なら中嶋監督も去年、監督代行からスタートして実質2年目。2人とも選手の心をがっちりつかんでいる。

 ともに3試合で決めたクライマックスシリーズ(CS)ファイナルSの戦い方にも共通点があった。若き先発投手陣がしっかり抑え、機動力を生かして1点をもぎ取る野球。ヤクルトが第1戦の初回、遊飛で三塁走者の塩見が生還する好走塁で流れをつかめば、オリックスは第3戦の9回に120%送りバントという場面で強攻策、バスターと畳み掛けてシリーズを決めるサヨナラ引き分けに持ち込んだ。

 日本シリーズもいかに1点をもぎ取るかという戦いになる。第1戦は20歳の奥川と23歳の山本が先発。経験という点では侍ジャパンのエースの山本だけど、どっちに転ぶか分からない。奥川にはCS第1戦でプロ入り初完封を演じた勢いがあるからね。

 ポイントになるのは第2戦。ヤクルトは高橋だと思うけど、オリックスは誰でいくか。CSの順番でいけば田嶋だけど、宮城を使ってほしいな。CSで4番手に回ったのは対戦防御率がロッテ戦は4・88と一番悪かったから。シーズン終盤には疲れが見えたけど、CSを投げずに終わって休養十分。セ・リーグにはいないタイプの左腕で、タイミングが取りづらい。いくらデータや映像を見ても、実際に打席に立たないと分からない感覚。交流戦では対戦がなかっただけに、お初のヤクルト打線は戸惑うはずだ。

 宮城は打撃がいいからDHが使えない3~5戦に回すという考えもあるらしいが、私なら正攻法で山本、宮城と右左のエースを1、2戦に並べる。そのまま中6日で6、7戦にいけるしね。

 ヤクルトで鍵を握るのは山田だね。CSは11打数1安打と不振だったけど、連打が難しい強力投手陣から点を奪うにはその長打力が必要だ。

 てなわけで待ち遠しい日本シリーズ。どっちに転んでも4勝3敗。絶対的なエースの山本がいるオリックスがやや有利かな。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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2021年11月16日のニュース