巨人・原監督 新たに3年契約 時代への基盤づくり託す 新設「ファーム総監督」に川相氏

[ 2021年11月16日 05:30 ]

新たに3年契約を結び、来季に向けた構想を語る原監督(撮影・森沢裕)
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 巨人・原辰徳監督(63)が15日、東京・大手町の球団事務所を訪れ、山口寿一オーナー(64)にシーズン終了の報告を行った。この席上で来季からの3年契約を提示されて受諾。3年契約最終年だった今季は3位でリーグ3連覇を逃した。覇権奪回へ、球団OBで18年まで2軍監督を務めた川相昌弘氏(57)のファーム総監督就任など来季のコーチングスタッフを発表した。

 新たに3年の長期契約。背景には、この間に選手、指導者ともに過渡期を迎える球団事情がある。原監督に託されるのは双方の育成。常勝軍団を再建し、次代へ基盤をつくる。

 「指導する側、選手一人一人の自覚、資質を上げることが重要」。来季は監督通算16年目で巨人では歴代単独最長。18年務めれば、プロ野球全体でも歴代10番目の長さとなる。引き続き全権監督として、編成権も担う。

 今季は主力選手の不振が響いた。20代の主軸は岡本和一人で、近年中の世代交代は急務だ。坂本は来季34歳シーズンを迎え、丸、菅野も33歳となる。原監督は「非常に苦しいシーズンだった。昨年よりも上回った成績を上げる人がいなかったところが我々の不徳の致すところ」と語った。

 今オフはFA戦線に参戦しないとみられ、来季コーチ陣容からも若手底上げへの狙いが顕著に表れた。2、3軍育成を担うファーム総監督のポストを新設し、練習、規律に厳しい川相氏を迎えると発表。原監督は「ユニホームは着ませんけど、広い形でファームを指導してもらえる立場」と説明した。小笠原2軍打撃コーチ、駒田3軍監督と勝負強さに定評のあったOBに「巨人のユニホームを着ていた戦士であり勇士」と期待した。

 今季は野手総合コーチが打撃、守備、走塁を担当したが「役割を持った形で明確にした」と細分化。阿部コーチらに帝王学を授け、コーチ陣をも育成する3年間になる。現役を引退した亀井も即、1軍コーチに就任した。

 球団事務所では全首脳陣の顔合わせが行われた。原監督は「強いチームをつくり、ファンに愛されるチームをつくる」と見据えた。(神田 佑)

 ◆自由契約 巨人は、田中豊樹投手(27)、鍬原拓也投手(25)、横川凱投手(21)ら12選手を自由契約とすることを通知したと発表。全選手と育成選手として再契約する方針。17年ドラフト1位の鍬原は昨年、右肘手術を受けてオフに育成選手として再契約。8月に再び支配下選手契約を結んだが、今季は1軍登板がなかった。

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