ヤクルト サヨナラ勝ちで6連勝 8回まで無安打も9回にドラマ 8日にもM灯

[ 2021年10月8日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―0巨人 ( 2021年10月7日    神宮 )

<ヤ・巨>9回1死、安打を放つ塩見(投手・ビエイラ)(撮影・河野 光希)
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 15年以来6年ぶりのリーグ優勝に向けて首位を走るヤクルトは7日、巨人戦でスコアレスドロー目前の9回にサヨナラ勝ちで6連勝。塩見泰隆外野手(28)が1死からチーム初安打となる左前打で出塁し、最後は2死二塁から山田哲人内野手(29)の遊撃内野安打で白星をもぎ取った。わずか2安打の勝利で2位・阪神とは2ゲーム差。8日の直接対決で引き分け以上なら、待望の優勝マジックが点灯する。

 わずか2安打での勝利。しかも8回までは相手投手陣に無安打に封じられていた。重いムードから一転、歓喜のサヨナラ勝利。6連勝を決めた高津監督は興奮気味に試合を総括した。

 「気持ちが入ったイニングだった。全員野球で、何とかという気持ちが最後に出たんじゃないでしょうか」

 こじ開けたのは1番・塩見だった。円陣を組んで向かった9回。簡単に1死を取られた。打席に向かいながら自身に誓った。「何とか塁に出よう…」。チーム初安打となる左前打。お祭りムードの一塁ベンチに右拳を掲げた。その後は3度のけん制をくぐり抜けて21個目の盗塁にも成功。「思い切ってスタートを切った。今年一番の盗塁だった」。2死二塁となり山田の遊撃へのボテボテのゴロの間に、またも快足を飛ばしてサヨナラの生還。「めちゃめちゃ気持ちよかった」と笑った。

 試合前には亡くなったすぎやまこういち氏をしのぶように、神宮球場に大人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のテーマ曲が流れた。塩見が第1打席で使用した登場曲も故人が作曲したG1ファンファーレ。特別な思いを込め、バットと足で手向けの白星を送り届けた。

 高津監督は塩見について「本当にいい打撃と盗塁だった。今年は重要なピース」と絶賛する。ナインは今季開幕から繰り返してきた1点にこだわる野球を9回に体現。「何とか1点を取るというところは去年に比べて一番成長した」と評した。

 高津監督の恩師・野村克也元監督は事あるごとに「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と話していた。無安打無得点の危機から一転、9回1死からのサヨナラ勝ちは、まさにそんな試合だった。きょう8日からは2位・阪神3連戦。直接対決で引き分け以上なら、優勝マジックが点灯する。

 「しっかり打って、しっかり投手もつないで僕たちの野球をしたい。(明日は)打ってくれるでしょう」と高津監督。2年連続最下位からの下克上Vへ、勢いは加速している。(川手 達矢)

 ≪阪神に勝てばM11≫セは首位のヤクルトが勝ち、2位の阪神が敗戦。ゲーム差は2.0に広がった。ヤクルトは8日にも優勝へのマジックが初点灯する。阪神との直接対決に勝てばM11、引き分けでもM12が出るがどうか。なお、ヤクルトは阪神に3連敗しても0.00007差で首位陥落はない。

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