巨人・坂本のV弾に「わっしょい!わっしょい!」お祭り騒ぎだ3連勝 新パフォーマンスでナイン結束

[ 2021年8月16日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人4-2中日 ( 2021年8月15日    東京D )

<巨・中>初回1死、坂本(手前)は先制ソロを放ちナインとみこしを担ぐパフォーマンスをする(撮影・光山 貴大)
Photo By スポニチ

 巨人が「わっしょいベースボール」でリーグ戦再開後3連勝を飾った。坂本勇人内野手(32)が15日、中日戦の初回に先制ソロ。後半戦初アーチとなる12号は決勝弾となった。ベンチ前ではナインと祭りのみこしを担ぐ新パフォーマンスを披露。首位・阪神も勝ったため1ゲーム差は変わらないが、原辰徳監督(63)が結束を求めたキャッチフレーズを体現した。

 比喩ではなく、本物の「お祭り騒ぎ」だ。みこしの花棒を右肩に担ぐポーズの坂本が音頭を取る。ベンチで待つ血の気の多い「男衆」も同じ構えで「わっしょい、わっしょい!」と口ずさんだ。

 「1打席目の初球を打つことができて、いい集中力で打席に入れた」。初回に小笠原の内角直球を捉え、左翼席へ先制12号ソロを運んだ直後だ。ナインが新パフォーマンスで結束した。「目標に向かって一体感があり、チームとして後半戦いいスタートが切れた」

 坂本はうれしくてたまらなかった。自身にとって夏は野球漬けの日々。「青春時代の思い出はない」と振り返る。「お祭りに行ったこともないし、海に行ったこともない」と言い、金魚すくいやヨーヨー釣りとも無縁。光星学院(現八戸学院光星)時代は一日1000スイング超えがざらで、二度と経験したくないほどつらかった。

 過去に映画からも結束の大切さを学んだ。06年の米国映画「ギャングスターズ明日へのタッチダウン」。少年院に収監されたギャングがアメリカンフットボールチームを結成する物語だ。対立ばかりの面々が練習を通じ絆を強める。「凄く感動した」といい、全員が同じ方向を向く大切さを強調する。指揮官の言う「わっしょいベースボール」の根底だ。

 新パフォーマンスに原監督は「ジャイアンツというみこしを前に進める。この(戦い方の)スタイルは崩したくない」と言った。コロナ禍で各地の夏祭り開催が見送られる中、グラウンドは熱気に満ちている。この日も「若頭」の一声で幕開けた。岡本和が試合前の円陣で「昨日も凄いわっしょいゲーム。今日もいきますよ、わっしょい!」と連呼した。

 3連勝で貯金は今季最多タイの14。選手は勝利後のハイタッチでも、みこしを担いでみせた。後半戦打率・400の先導役、坂本は「気を引き締めて次のカードも戦っていく」。リーグ3連覇へ練り歩く。(神田 佑)

 《藤田2次政権でもわっしょい!》「わっしょいベースボール」で盛り上がる巨人だが、実は過去にも「わっしょい!」のかけ声をしていた時代があった。藤田元司第2次政権が始まった1989年。音頭を取ったのは、84年に慶大からドラフト1位で入団し、盛り上げ役を務めた上田和明氏(現ジャイアンツアカデミー副校長)だった。「得点が入るたびに、僕の“せーの!”の合図で、みんなが“わっしょい、わっしょい!”と言うんです。当時は手拍子でやりましたね。(最後に)“ハイ、ハイ!”と言って、右手を上げて、左手を上げるんです」。原監督は当時の主砲。「わっしょい」のかけ声で勢いに乗り、2年ぶりのリーグ優勝。8年ぶりの日本一を奪回し、翌90年もリーグ連覇した。上田氏は「今みたいな、みこしを担ぐパフォーマンスとは違いますが、思い出しましたね」と懐かしそうに話した。

 ≪ゴジラに並ぶ巨人歴代7位通算889打点≫坂本(巨)が初回に決勝の12号ソロ。今季24打点目は通算で889打点目となり、巨人では松井秀喜に並ぶ歴代7位タイとなった。1位はプロ野球記録でもある王貞治の2170打点。右打者では長嶋茂雄1522打点、原辰徳1093打点に次ぐ3位となっている。

続きを表示

この記事のフォト

2021年8月16日のニュース