最下位パイレーツの筒香獲得は来季戦力として見極める狙いか

[ 2021年8月16日 10:15 ]

筒香嘉智(AP)
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 ドジャース傘下3Aオクラホマシティーを14日に自由契約となった筒香嘉智外野手(29)が、パイレーツへ移籍することが決まった。メジャー出場の前提となる40人枠から外れていたド軍では、今季中のメジャー再昇格は極めて厳しいとみられていただけに、筒香にとっては今季のプレーだけでなく、来季の契約も勝ち取るチャンスをつかんだと言える。

 今季はレイズとドジャースの2球団で計38試合に出場して打率・155、0本塁打、7打点と不振だったが、3Aオクラホマシティーでは本来の長打力を取り戻し、右方向への豪快な本塁打も目立っていた。43試合で打率・257、10本塁打、32打点ながら、7月1日以降に限れば、打率・317、7本塁打、27打点で、OPS(出塁率+長打力)は1・000を記録していた。3Aで腐らずに結果を残したからこそ、パイレーツからのオファーが舞い込んだ。

 大リーグでは、ポストシーズン出場の可能性があるチームは、7月31日のトレード期限終了後もウエーバーなどで補強に動く。しかし、パイレーツは14日現在、42勝75敗の借金33で、ナ・リーグ中地区で5位に9ゲーム離されての最下位。外野手のガメルが故障者リスト入りしたことで、外野陣が手薄になり、筒香の獲得に動いたが、来季の戦力としても見極めたい狙いもあるとみられる。

 筒香にとっても、これまで在籍した2球団はすぐに結果が求められた。低予算でチームを作るレイズは優秀な若手が多く、700万ドル(約7億7000万円)の年俸は高額だった。2年連続のワールドチャンピオンを狙うドジャースは選手層が厚く、筒香獲得も故障者の一時的な穴埋めの意味合いが強かった。一方、すでに来季に向けた戦いを始めているパイレーツでは確実に出番を与えられるだろう。426得点、92本塁打はいずれも両リーグ最少。筒香が長打力をアピールできれば、来季の契約も勝ち取る可能性がある。

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2021年8月16日のニュース