侍・栗原は“ユーティリティー侍” 軽快に三塁→右翼→一塁「どこでもやりたい」 今後はブルペンで捕手も

[ 2021年7月21日 05:30 ]

侍J強化合宿2日目

<侍ジャパン強化合宿>ライトの後、サードでシートノックを受けるソフトバンク・栗原(撮影・森沢裕)
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 東京五輪に出場する侍ジャパンは20日、楽天生命パークでの強化合宿(一般非公開)の2日目を迎え、ソフトバンクの栗原陵矢捕手(25)は守備練習で三塁、右翼と内外野をともに守った。球宴初の1試合4ポジションを守ったユーティリティーさを発揮。稲葉篤紀監督(48)も期待する“万能侍”が登録人数が限られる国際大会で日本の強みとなる。

 栗原が元気にグラウンドを駆け回った。貴重なユーティリティープレーヤーとして、複数ポジションの練習を軽快にこなした。

 「凄くやりがいを感じているし、本当にありがたい。自分自身どこでもやりたい」

 三塁の位置から始まった投内連係では、途中から外野ノックに参加した。シートノックでは右翼に入り、最後は三塁に戻った。さらにフリー打撃後に一塁のノックも受けた。一、三塁に外野、そして本職の捕手と4つのグラブを持参。「予備も入れて6、7個」とシーズン時の4つを上回る数を準備して臨んでいる。

 登録人数が限られる国際大会で、内外野に加えて捕手までこなせる貴重な存在だ。稲葉監督も「あそこまで複数ポジション守れる選手はいない。非常に貴重」と認める。栗原は練習の合間に外野で中腰の捕手相手に投げる山本を見つけると、受け手の後ろから「捕手目線」で軌道の確認も行った。

 プロ入り後、1軍での捕手出場は26試合のみ。失策は0だが「不安はあるけど、覚悟を決めてやる」。今後はプロテクターなど防具を着けてブルペンにも入る予定だ。

 昨季、巨人との日本シリーズでMVPに輝いた勝負強い打撃も持ち味だ。シーズン前半戦は33試合で4番を任されるなど、打率・278、10本塁打、42打点をマークした。この日は全体練習後の打撃練習では坂本、鈴木とともに打撃談議を交わし「何でも吸収したいし、聞きたい。(発見は)あった」と目を輝かせた。

 17日の球宴第2戦では史上初めて一塁、三塁、左翼、捕手と4ポジションに就いた。ユーティリティー侍の長所は「元気です」。一人4役に加え、ソフトバンクの先輩・松田のように盛り上げ役も目指す。

 ○…球宴で史上初めて1試合で4つのポジションに就いた栗原だが、レギュラーシーズンでは3ポジションが最多だ。今季も1度だけあり、3月31日のオリックス戦(京セラドーム)に右翼で先発出場し、左翼、捕手を守った。昨季は5試合で3ポジションを守っており、そのうち4試合は右翼で先発出場して左翼に回り、最後に一塁に就くパターンだった。

 ▽侍ジャパンのユーティリティー起用 08年北京五輪では内野手の荒木雅博(中)が二塁だけでなく、左翼でも出場。17年アジアチャンピオンシップの予選リーグ・台湾戦では外崎(西)が左翼で先発も途中から三塁の守備に就いた。19年のプレミア12では、周東(ソ)が代走及び複数位置の守備固めで活躍。1次ラウンドでは中堅と左翼、スーパーラウンドでは三塁、中堅、右翼と4ポジションをこなした。

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