ソフトB・上林 第二の故郷への思い「楽天と最高の試合をして優勝し続けるしかない」

[ 2021年3月12日 05:30 ]

インターバル走する上林(撮影・岡田 丈靖)
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 東日本大震災から10年を迎えた11日、宮城県で高校生活を過ごしたソフトバンクの上林誠知外野手(25)が被災地への思いを語った。

 上林は震災直後に仙台育英へ進学。地震の影響で校舎が壊れ、2年間は仮設教室で授業を受けた。当時は「野球をやっていていいのか?」と自問自答することもあった。「東北のために日本一」と決意を固め、2年夏から3季連続で甲子園出場するも、頂点には届かなかった。現在はプロ野球選手として、自分に何ができるかを考えている。

 「僕は野球でしか勇気、希望を与えられないし、もっと復興に携わりたい。宮城県の楽天と最高の試合をして、優勝し続けるしかない。それが目標」

 一昨年、昨年と不本意なシーズンに終わったが、今年は復活の手応えを得ている。2月の春季キャンプ中の紅白戦、練習試合、3月に入ってのオープン戦と好調で“12試合連続安打”をマーク。7日の阪神戦で無安打に終わり、オープン戦の打率は・238と落ちてきたが、動じず課題と向き合っている。

 この日、ペイペイドームで行われた全体練習でのフリー打撃では39スイングし、引き付けてから逆方向へ鋭くはじき返した。「体が疲れてくると、開きが早くなったり、前に突っ込んでしまったりする。そういう現象が起きてくるので股関節の可動域とかをいろいろと戻していった」と修正すべき箇所は分かっている。

 前日10日の巨人戦まで3試合連続無安打だが、「ずっと打ち続ける選手はいない。これが本番まで続いた方が怖かった。ここから上げてくれば」と切り替えて、オープン戦残り8試合に臨む。12日は神宮でのヤクルト戦。19年まで自主トレで弟子入りし、福島県で復興野球教室をともに行った内川との再会も楽しみにしている。

 「シーズン通して活躍して良い報告をしたいし、負けちゃいけない」と上林。10年目の特別な日に思いをさらに強くしていた。

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