巨人・新1、2番コンビ「カジサカ」躍動 原監督、2安打梶谷は「勇人にも、丸にも大きな刺激」

[ 2021年2月26日 05:30 ]

練習試合   巨人4-3中日 ( 2021年2月25日    沖縄セルラー )

<巨・中>初回無死、右線に二塁打を放つ梶谷。右は坂本(撮影・光山 貴大)
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 DeNAから巨人にフリーエージェント(FA)で新加入した梶谷隆幸外野手(32)が25日、中日との練習試合に「1番・右翼」で先発出場。移籍後初となる対外試合でいきなり初回に右翼線二塁打を放つなどマルチ安打の好発進を切った。左前打を放った5回は直後に2番の坂本勇人内野手(32)も二塁打。「カジサカ」の新1、2番コンビがセ界を恐怖に陥れる。

 スコアボード上の旗が激しくなびく。那覇市で最大風速10メートルの強風が吹いたように巨人に新しい風が吹いた。新リードオフマンの梶谷にとって初の対外試合。2番に強打者の坂本がいるが、こう考えながら打席に立った。

 「違いは正直、感じないようにしています。あまり後ろが誰かというよりは、自分がどうしたいかを考えてやるタイプ。出塁率を上げたいという意味では変わらない」。3番には丸もいる。長打力も持つ梶谷の加入は、相手の先発にとっては初回から中軸を迎えるような重厚感をもたらす。

 1番打者として昨季は自己最高の打率・323、19本塁打。その力を見せたのは初回の第1打席だ。柳から右翼線に打球を放ち快足飛ばして二塁へ。5回は左前打を放ち、坂本も左中間二塁打で続くなどして一時勝ち越した。原監督が「(坂本)勇人にも、丸に対してもウチの中心選手に大きな刺激を与えるような選手が入ってきた」と言う相乗効果だ。

 プロ15年目の再出発。キャンプ前には自身を「新入社員」と表現した。22日の紅白戦ではベンチでどこに座るか迷い、他の選手が決めた後に空いた場所を選択。周囲に配慮する一方でチーム溶け込もうとする努力も怠らない。今キャンプ中には同じ右翼手の松原をイジり、球団公式カメラの前で「梶谷のモノマネをする松原のモノマネ」も披露。昨年チームで大流行した韓国ドラマ「梨泰院クラス」も全話視聴済みで「凄く明るいチーム。外から見るのとはまた違う色が見えた」と笑う。

 「カジサカ」で通算361本塁打。機動力も駆使できる。昨季に1、2番を固定できなかった原監督に実力を存分にアピールした梶谷は「まだ自分が出したいところにバットが出てない。自分が求めているものを確実にしていく」と言う。新打線の舵(かじ)取り役は決して妥協しない。(小野寺 大)

 ▼巨人・坂本(初の対外試合で5回に左中間二塁打)違うユニホームと試合をすると、また違ういい緊張感があって良かった。

 【巨人の過去の「攻撃的1、2番コンビ」】☆96~06年仁志敏久&清水隆行 ともに95年ドラフト入団で当初は「1番・仁志、2番・清水」で活躍。00年には6年ぶり日本一の立役者となった。02年に就任した原監督は「1番・清水、2番・仁志」に入れ替え。後続に高橋由伸、松井秀喜と続く重量打線を支えた。

 ☆07年高橋由伸&谷佳知 原監督の2次政権2年目で、前年まで中軸を担っていた強打者を1、2番で起用。高橋由はリーグ史上初となる開幕戦初球先頭打者本塁打を放つなど、プロ野球新の初回先頭打者9本をマーク。また谷はオリックスから移籍初年度ながらチームトップの打率・318。10盗塁を記録し、02年以来のリーグ制覇に貢献した。

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