開幕ローテが見えた 広島・遠藤が4回無失点のベストピッチ「自信になる」

[ 2021年2月26日 05:30 ]

広島紅白戦   紅組10ー0白組(特別ルール) ( 2021年2月25日    コザしんきんスタジアム )

広島紅白戦で4回を無失点の遠藤(撮影・成瀬 徹)
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 広島・遠藤淳志投手(21)は25日、紅白戦に先発し今春最長の4回を投げ2安打無失点と好投した。課題の立ち上がりに2走者を背負ったが無失点でしのぎ2回以降は修正。9失点と大乱調だった薮田が先発争いから脱落するなど競争が本格化する中、2年連続の開幕ローテーション入りへ前進した。

 チームが期待する新助っ人との対峙(たいじ)に成長の跡が見えた。4回1死二塁、遠藤がカウント2―2からクロンに投じた内角直球は惜しくもボールとなったが、狙い通りに懐を突いたものだった。ファウルを挟んだ8球目の真っすぐは、今度は外角いっぱいへ。制球力が一つの課題だった昨季から一転、勝負どころで寸分の狂いなく内外角に投げ分け、2打席連続の空振り三振に仕留めた。

 「クロンへの内角の直球が一番良かった。求めてきた低めに強い伸びのある真っすぐを投げられたのでホッとしたではないですけど、一つ自信になった」

 直球は制球だけでなく、最速145キロを計測し威力もあった。初回無死一塁で松山の三飛から8人連続アウト。その間、カーブで遊ゴロだった林以外の7人は結果球が真っすぐだった。「しっかりゾーンで勝負できたのが一つ成長できたところ。その中でゼロに抑えられたのも自信になる」。今春チーム最長の4回を投げ、実戦3試合目で初の無失点と結果が伴った。

 「なかなか結果が出なかった。そういったところで常に直球を意識してきた。求めているものが形として出せたのでよかった」

 まだ、解消しなければならない課題もある。昨季の初回防御率は4・74で立ち上がりを苦手とした。この日も初回、先頭の野間に右前打を許し菊池涼に四球。続く松山を2ボールとしたところで捕手の会沢から「ゾーンで勝負しよう。一つ冷静になって頑張ろう」と伝えられ、気持ちを落ち着かせると、後続を断った。会沢は「前回はピリッとしない投球だったから、今日にかける思いがあったのだと思う」と思いやる。今後は力みを制御する精神面も必要になる。

 開幕ローテーションは残り3枠を争う構図。昨季に先発としてシーズンを完走しながら5勝(6敗)に終わった悔しさを晴らすシーズンになる。佐々岡監督は「(試合の)入りの課題はあるけど、球の力は去年の春先とは違う。まだ開幕まで(アピールを)続けていかないといけない立場だし最後まで競争」と説明したが、開幕ローテーション入りへ、一歩近づいたことは間違いない。(河合 洋介)

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2021年2月26日のニュース