東尾修氏 ソフトBはスイングに迷いなし 追い込まれるまで強振傾向

[ 2020年11月26日 06:00 ]

SMBC日本シリーズ2020第4戦   ソフトバンク4―1巨人 ( 2020年11月25日    ペイペイD )

<ソ・巨4>逆転2ランを放つ柳田(撮影・白鳥 佳樹)
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 【東尾修氏 シリーズ大分析2】4年連続の日本一を成し遂げた工藤ソフトバンク。盟主・巨人をシリーズ史上初となる2年連続の4連勝で下し、スポニチ本紙評論家の東尾修氏(70)は「盟主交代」と位置付けた。その圧倒的な強さを1980年代から90年代前半にかけ、黄金時代と呼ばれた西武に匹敵すると断言。当時、現役で活躍した東尾氏は両球団のスカウティングや戦力構成の共通点も挙げ、巨人との力の違いを指摘した。

 今シリーズを通じて目立ったのは、ソフトバンクの打者の迷いのないスイングだ。初回1死二塁での柳田の逆転2ラン。初球のフォークを持ち味のフルスイングで打ち砕いた。巨人バッテリーは初球から積極的に振ってくることを見越して、慎重に変化球から入った。しかし、それがバットが届く得意ゾーンの真ん中低めに。これは単純に技術不足。それを見逃さなかった柳田はさすがだし、2回の甲斐の2ランもそうだが、今シリーズでソフトバンクの打者は、とにかくスイングに迷いがない。

 これはパ・リーグの野球ならではの傾向だろう。柳田を筆頭に、山川、森(ともに西武)、浅村(楽天)ら、2ストライクに追い込まれるまでは思い切り振るタイプの選手が多い。これはDH制が導入されていることが大きな要因の一つと言える。レギュラーシーズンでも5回ぐらいまでは送りバントをしない。無死一塁でも強打に出て、その中で進塁打など工夫する。ソフトバンクはそういう野球の中で、圧倒的な強さを発揮して勝ち上がってきた。

 〇…柳田は真ん中低めが得意ゾーン。レギュラーシーズンのストライクゾーン内の打率を見ると、34打数19安打で最も高い.559をマークし、4本塁打を放っている。柳田はバットを上から振り下ろし、フォロースルーで大きく振り上げる。「V字」のスイング軌道で真ん中低めのコースは最も合いやすく、相手投手からすれば最も危険なゾーンと言える。

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