中日・大野雄、残留!FA権取得も行使せず「吉見魂」引き継ぎ来季悲願のリーグV導く!

[ 2020年11月11日 05:31 ]

中日の大野雄
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 今季途中に国内フリーエージェント(FA)権を取得した中日の大野雄大投手(32)が権利を行使することなく来季もチームに残留する意思を固めたことが10日、明らかになった。阪神など複数球団が水面下で調査に乗り出す姿勢を見せていたが、熟考を重ねた上に決断。今季は8年ぶりのAクラスに貢献したエース左腕が、来季はチームを10年ぶりのリーグ優勝に導く。

 中日ファンにとっては、何よりの朗報だ。この日までに大野雄は来季もチームに残留する意向を固めた。自身の好投でAクラスを確定させた5日のDeNA戦後に「何とか弱いドラゴンズを今年で終わらせて、来年からは優勝を目指せるチームづくりをせなあかんと思ってやってきた」と語っていた左腕が、来季もチームをけん引する。

 16年から昨季まで4年連続で2桁勝利を挙げることができなかったが、節目のプロ10年目を迎えた今季は見事に復活。10月22日のDeNA戦では完封勝利を挙げ、球団記録を更新していた連続イニング無失点記録を45まで伸ばした。現在、防御率1・82、148奪三振はいずれもリーグトップ。勝利数は巨人・菅野の14に対して11も、分業制が確立されている中で6完封を含む10完投を記録して沢村賞争いも注目を集めている。

 残留の決め手となったのがチームに対する強い愛情だ。佛教大4年時に左肩を痛めていたにもかかわらず、球団は1位指名に踏み切った。18年には勝利なしに終わったが、エースとして変わらぬ信頼を続けてくれた首脳陣への恩義も強く感じている。チームメートにも恵まれ、今季限りで現役を引退した吉見には入団時から目をかけてもらった。6日に行われた引退試合の際には「チームを勝利に導くことが恩返しになる。吉見さんの魂を引き継いでいきたい」と強い決意を口にしていた。

 球団も4年総額で10億円超の大型契約を用意するなど最大限の誠意を見せ、最優先課題でもあった大野雄との残留交渉を行ってきた。チームは今季に8年ぶりとなるAクラス入り。来季もエース左腕を中心にチーム一丸で巨人のリーグ3連覇を阻止し、11年以来10年ぶりの頂点を目指す。

 ◆大野 雄大(おおの・ゆうだい)1988年(昭63)9月26日生まれ、京都府出身の32歳。京都外大西では2年夏、3年春と2季連続甲子園出場。佛教大を経て、10年ドラフト1位で中日入団。13年から先発として1軍に定着し、15年まで3年連続2桁勝利。16、17、20年に開幕投手。今季10月22日のDeNA戦で球団新となる45イニング連続無失点を樹立。シーズン10完投、6完封はいずれもキャリアハイ。1メートル83、83キロ。左投げ左打ち。

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