関本賢太郎氏が語る藤川球児のすごさ 50センチも下を空振り「投手の本質を教えてもらった」

[ 2020年11月11日 06:45 ]

セ・リーグ   阪神0-4巨人 ( 2020年11月10日    甲子園 )

【プロ野球阪神対巨人】藤川球児引退セレモニー グラウンドを一周し、本塁上で一礼する阪神・藤川球児=甲子園球場(代表撮影)
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 バッターに錯覚させるピッチャーだった。シート打撃で対戦した際のことだ。打者は、投手の肩と肘のライン、手首の角度、ボールを叩きつける腕の振りなどから、高さやコースを予測する。

 「ベルトより低めのゾーンやな」

 そう感じ取りスイングすると実際のボールは高めへと浮き上がってきた。50センチほどの誤差があったのではないだろうか。火の玉の形容とされる速さ、スピン量はもちろんだが球児の凄さがそれだけではないことを改めて痛感させられた。

 JFKとしてブレークした直後のシーズンオフ。バス釣りに出かけたボートの上で、球児がふとつぶやいた。

 「ピッチャーはマウンド上で、バッターのタイミングをどうずらすかを考えてます。タイミングが合ってるなと思ったら、僕は高めに外してます」

 タイミングが合わないことにばかり目を向けていたが、そうではないことに気付かされた。考え方も含め、投手の本質を教えてもらった。その後の自分の野球人生にも、大きな影響を与えてくれた。

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