セ界初!原監督3度目連覇 データが示す巨人の独走劇、先取点勝率は8割超え

[ 2020年10月31日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―3ヤクルト ( 2020年10月30日    東京D )

<巨・ヤ>優勝が決まりインタビューを受ける原監督(現場代表)
Photo By 代表撮影

 原監督率いる巨人が、2位・阪神に8.5ゲームの大差をつけて令和の連覇一番乗りを果たした。攻守の主役が活躍した今季の戦いぶりをデータで振り返ってみる。(記録課・志賀喜幸)

 ≪先取点勝率.804≫☆連覇請負人 巨人が2年連続47度目(セ38度目)の優勝を決めた。原監督にとっては9度目。鶴岡一人、川上哲治両監督の11度に次ぐ優勝回数となった。チームの2連覇以上は10度目。うち原監督は07~09年、12~14年、今回と3度目になるが、1人で3度も連覇を果たしたのは阪急で67~69年、71、72年、近鉄で79、80年に連覇した西本幸雄監督に次ぎ2人目の快挙。セおよび巨人では原監督が初めてだ。また、ホームで勝率.679(ロード.529)、先取点試合に勝率.804と百戦錬磨の名将らしく、そつのない戦いぶりだった。

 ≪菅野開幕13連勝≫☆負けないエース 菅野は66年堀内恒夫(巨)に並ぶセおよび球団タイ記録の開幕13連勝を達成。開幕投手としては04年岩隈(近鉄)の12連勝を抜くプロ野球新記録と大役の期待に応えた。先発18試合のうち16試合がクオリティースタート(QS=6回以上、自責点3以下)で、QS率は89%。7月21日の中日戦からは14戦連続QSの安定した投球を見せ、2敗しかしなかった。勝率は両リーグ最高の.867。セでは66年堀内恒夫(巨=.889)、51年松田清(巨=.885)、09年ゴンザレス(巨=.882)に次ぐ歴代4位となりそうで優勝の立役者になった。

 ≪高梨、中川、大江≫☆左腕トリオが奮闘 投手起用人数別の勝率を出すと、4人以上の継投試合は昨季の.476(50勝55敗2分け)に対し、今季は.548(40勝33敗7分け)と勝ち越し。原監督の継投策がさえたが、それを支えたのは防御率が昨季の3.68から3・45まで向上した救援陣だ。中でも高梨(20H)、中川(15H)、大江(8H)の左腕トリオの貢献が光った。登板35試合以上の両リーグ50投手の中で中川が防御率1位の1.00、高梨が5位の1.57。また、得点圏被打率は、大江が.086でモイネロ(ソ)の.094を抑え、両リーグ35試合以上の投手でNo.1。他の2人も中川.103、高梨.119とそろってピンチに強かった。

 ≪驚異の得点圏<率>≫☆チャンスで本領 チームの規定打席到達者はセ11位の坂本(.289)を筆頭に4人。3割打者不在での優勝は14年の巨人以来になる。それでも、セ最多の500点を叩き出したのはチャンスに強かったから。チームの得点圏打率は.280で日本ハムの.270を上回る12球団最高。セの得点圏打率ランクでも坂本が1位の.373、岡本が2位の.361で吉川尚も.296と2人が3割台。また、勝利打点は丸がセ・リーグ2位の13で、岡本はこれに次ぐ12と中軸が勝負強さを発揮した。

 ≪守備率12球団一≫☆鉄壁の守備 今季の守備率.991は12球団で最高。巨人では90年の.9903を上回る30年ぶりの記録更新となりそう。また、バッテリーエラーも少なく暴投17、捕逸3はいずれも両リーグ最少。堅守も優勝の要因になった。

続きを表示

2020年10月31日のニュース