【10・26ドラフト注目】2メートル左腕の札幌大谷・阿部 唯一無二の「角度」武器に大志を抱く道産子

[ 2020年10月24日 05:30 ]

これでGoToプロ(3)

札幌大谷の2メートル長身左腕・阿部
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 どこにいても目立つ。仲間よりも頭一つ抜けた阿部の成長は止まらない。コロナ禍で3カ月余りの休校が明けた6月に計測すると、1メートル99・5。昨秋から1・5センチ伸びていた。そして、夏を迎えた時には2メートルとなった。「2メートルの左投手はプロにはいない。他の投手にはない角度からの球で打者を抑えたい」と強い思いを口にする。

 誰よりも長い手足。全てがかみ合うまでには、時間を要した。1年時に全国優勝した18年明治神宮大会では、準々決勝(対国士舘)で先発したが1回で降板。悔しさを糧に、翌19年のセンバツ2回戦(対明豊)では先発で3回0/3を2安打1失点と好投した。

 「1年生の時はプロを目指せる選手じゃないと思ったが、甲子園がターニングポイントになった」。身長だけでなく、球速も伸び盛りだ。6月に140キロに到達し、夏の南北海道大会では142キロをマークした。トレーニングと間食や補食を合わせた1日5、6食により身長だけでなく体重も100キロの「大台」に到達。高身長を支える下半身も出来上がってきた。

 日本ハムの大渕隆スカウト部長は「2メートルから繰り出される球は他の類を見ない角度。それが絶対的な特長。ストライクも取れるし、試合をつくれる」と評価。3球団から調査書が届いている。

 指名を受ければ、1メートル98の大窪(西武)を上回り、馬場正平(55~59年、巨人=のちのプロレスラー・ジャイアント馬場)と並ぶ日本人最長身選手となる。「大きく育ててくれた両親に感謝したい」。北の大地で育った超高身長左腕は、道が開かれる瞬間を待っている。 (竹内 敦子)

 ◆阿部 剣友(あべ・けんゆう)2002年(平14)5月17日生まれ、北海道北斗市出身の18歳。北斗大野小3年の時に「大野少年ダイヤ」で野球を始める。北斗大野中を経て札幌大谷入り。1年秋に初めてベンチ入りし18年明治神宮大会優勝、19年センバツ出場。今夏の南北海道大会4強。握力は左右ともに60キロ。足のサイズ29センチ。家族は両親と弟。2メートル、100キロ。左投げ左打ち。

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