阪神・近本 藤浪も舌を巻く鉄のメンタル 4安打でリーグトップタイの6度目猛打賞

[ 2020年8月22日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神7-4ヤクルト ( 2020年8月21日    神宮 )

<ヤ・神(10)> 1回無死、近本は左越え二塁打を放つ(撮影・大森 寛明)
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 「打ち出のこづち」と化した阪神・近本のバットが、眠れる打線を叩き起こした。初回先頭で左翼フェンス直撃の二塁打をかますと、2回の第2打席に7試合ぶりの適時打を放った。

 「打ったのはカーブです。初球から思い切って打ちにいくことができました」

 藤浪の適時打で先制し、なおも1死満塁。動揺を隠せない吉田喜の初球カーブをフルスイングした。鋭いライナーは一塁手・坂口のグラブを弾き、右前に転がる2点二塁打になった。

 4回の二塁内野安打で、中日・ビシエドと並びリーグトップタイとなる6度目の猛打賞。9回の中前打で、はやくも昨季の2度を上回る、3度目の1試合4安打を記録した。20日までの3連敗中は自身も12打数1安打。不調の兆しを見せ始めた直後に、豪快に盛り返した。成熟した、揺るぎない精神力が原動力だ。

 そんなメンタルの強さに舌を巻くのが、ほかでもない藤浪だ。「チカは考えてることがめちゃくちゃ深くて、しかも、動じない。ピッチャーと野手で話す機会は少ないですけど、それでも感じるんです」。同学年の右腕に感銘を与えるほどの心の強さで不振を回避。その藤浪に、白星をプレゼントした。

 「チカもジェリー(サンズ)も調子を落としていたので。そういうところで当たりが出た部分もあるし」

 矢野監督は、久々に機能した近本の話題に安堵(あんど)の表情を浮かべた。10安打7得点を演出した背番号5。チームのキーマンなのだと、あらためて印象付けた夜だった。 (巻木 周平)

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