片岡篤史氏 阪神・藤浪から執念感じた全力疾走 課題も修正できていた

[ 2020年8月22日 05:50 ]

セ・リーグ   阪神7-4ヤクルト ( 2020年8月21日    神宮 )

<ヤ・神10>2回1死満塁、藤浪は適時内野安打(撮影・小海途 良幹)
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 【片岡篤史 視点】まずは、692日ぶりの勝利を挙げた藤浪を称えたい。

 投球内容もさることながら、3回の併殺でのフィールディング、バント処理、けん制……ずっと課題だったことが修正できてきている。前回登板は立ち上がりがよくなかったので、この日はいつも以上に慎重に試合へと入っていた。打撃面からも自らのバットで先制点を挙げるなど“俺が勝つ”という「欲」を感じ取れたし、送りバントでの一塁への全力疾走は勝利にかける強い気持ちを物語っていた。降板してもすぐに岩崎をベンチ最前列で応援する姿からは、信頼を回復しようという姿勢も見えた。少し興奮気味のヒーローインタビューもよかった。一つ大きな山を越え、いろいろな人に感謝の気持ちもあるだろう。

 打線では4安打の近本の働きが際立った。得点には結びつかなかったが、初回にいきなり二塁打を放つなど幾度となくチームを勢いづけた。足でも重圧をかけられる近本があれだけ塁に出続けると、相手はすごく嫌だったことだろう。なかなか打線が固定できない中で、1番に固定できているのは大きい。

 ボーアの2本塁打も効果的だった。彼のポイントは「真っすぐ」だ。1本目でそれをしっかり、とらえられたから、2本目では変化球をうまく前で拾うことができた。真っすぐに少しタイミングが遅れがちなので、それをいいポイントでとらえる打撃ができれば、変化球にも対応できるようになる。基本に立ち返って、この打撃を続けていってほしい。

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